海外での臨床における英語
新年最初の記事です(今さら)。
英語が関連する仕事があったので、久しぶりに海外で臨床留学をするための英語学習について思ったことを書きます。
英語能力を鍛えるにおいて、かつて自分がカナダで働くために一番目標にしたことは、患者さんと話せることです。
患者さんと話せるって、海外で臨床をやるには当たり前と聞こえるでしょうが、これが難しい。医療スタッフと話すのなんて、これに比べれば100倍簡単です。
何故かというと、医療スタッフは背景知識がありますし、専門用語も分かります。専門用語って意味が狭いので誤解が少ないんです。おまけに、こちらの英語能力も知っている!
そういう意味では、患者さんとの会話は真剣勝負です。こちらの英語力がダメだと、最悪担当医を替わってくれと言われることもあるかも知れません。専門用語はかみ砕いて話さないといけないし、get、put、takeなど、単純だけど難しい動詞を上手に使えないと。
もちろん、ある程度の教養をお持ちの方で、ゆっくりめ、簡単な文章で話してくださる方もおられます。しかし、子どもが重篤な状態など、心に余裕のない方もおられます。将来の見込みについて聞かれたりすることもあります。それにも対応しないといけない。また、早口や強い訛りで話される方もおられます。トロントは、移民が過半数なので、東アジア系、中東系、東欧、その他、たくさんの訛りがあります。
では、何かコツがあるのかと言いますと、正直あまりないのですが。
患者さんと話すには、まず訴えをよく聞くことです。自分の英語が完璧でないのは向こうも承知だろうから、ちょっと分かりにくい部分はきっちり確認する。回数が多くなければ、自然にいけると思いますし、確認することで、「聞いてくれているんだな」と思ってもらえます。訛りは、正直慣れるしかありません...
あとは、薬の増減や、こういった検査をします等の定型的な説明が簡単な英語で言えるように練習です。このあたりは、USMLE step 2CSでも勉強したので、とても役に立ちました。
医療スタッフと話す場合に気をつけたのは、なるべく短い文章で話し大切な部分は復唱して確認することです。特に数字。
どちらにも共通して言えるのは、簡単で短い文章を多く使うこと、大切なところでは確認をきっちり入れること、と思います。
あと、英文速読は鍛えておく必要があります。USMLEの問題文を全部読んでも時間が足りるくらいを目標にしてよいと思います。そうでないと、カルテ読みで溺れます...
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