2017/05/20

台湾(続き)

台湾での講演は無事終了。スライドが少し多いかなと思いましたが、図が多かったこともあり、30分(質疑応答含む)のところ、25分強で終了。質疑を入れるとちょうど治まりました。よかったよかった。

午後は、ランチをごちそうになり、お茶の専門店へ。試飲を楽しみ、欲しかったお茶を買うことができました。台湾の烏龍茶は、とても香りが素晴らしくておいしいです。日本のペットボトルや居酒屋のものとは全然違う。ちょっとディープで、少しハマりそうな予感。

色々と贈り物をいただき、キャリーバッグになんとか治まりました。もう1つ多かったら、アウトでした。

台湾の先生方の「おもてなし」に感謝感激です。

今回のもう1つの収穫は、片言でも中国語を使えたことです。もっともっと上達したいなと思います。中国語をマスターしたら、世界の4人に1人とは会話ができるわけですから。

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2017/05/19

台湾

更新をしばらくサボっていました。椀子そばのように仕事が降ってくるもので。

昨日から、台湾に来ています。Taiwaneese International Congress of Neurology(TICN)という学会で、難治てんかんへの対応法に関する講演です。

今年は学会発表・講演が立て続けにあり、今月は先週に福岡のアジア・大洋州小児神経学会議(AOCCN)があり、今回のTICN、来週も国内で講演、6月は大阪で日本小児神経学会学術集会、その後は北京で講演です。

2-3か月先の予定は分かっているんだけど、そのうえで、数日~2週間ほどで済ませなければならない仕事が次々降ってくる。だから、だいぶ先の仕事と分かっていても、時間があるときにやっておかないと後できつくなるのですが、これがなかなかできないので難しい。

今、一番のプレッシャーは、8月末締め切りの仕事です。1年以上前から引き受けていて、かなり時間がかかる仕事なのですが、これがまだ6割くらいしかできていない。6月の学会が終わったら、他の仕事を放り出しても優先しないといけないのだろうなと思っています。

それはさておき、台湾です。今回が4回目。中国語は、相変わらず挨拶くらいしかできないけれど、雰囲気には慣れてきました。食事がうまいのでうれしいです。ホテルにたどり着くまでに、色々とトラブルがありましたが(学会が手配したお迎えが来ていない、事務局の指示でタクシーに載ったら間違ったホテルに連れて行かれた)、これも旅行ならではです。前回はバスで自力でホテルに行きましたら、その方が間違いがなかったのかも...

何はともあれ、観光と講演(明朝に30分)をがんばることにします!

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2017/04/12

お勧めの本

初めてのけいれん さあどうするか

私のかつての指導医の著書の第2弾が出版されました。

けいれんの患者を初めて診た場合にどうするか?

実際的な解説満載で、分かりやすく書かれています。

うんうん、あるある!

よくある落とし穴についてしっかり解説されていますし、問診のテクニック、日々の診療で注意すべきところ等、とてもためになる内容です。

脳波の過信についての警鐘もしっかり書いてあります。共感するところが多いです。

脳波は大切な検査ですが、いい加減な知識で使うととんでもないことになってしまいます。そういったこともきちんと書いてある。

一般の医師のみならず、てんかん専門医にも強くお勧めです。自分の診療を見直すよい機会になるかも知れません(私を含め)。

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2017/03/25

脳波のclinical correlation

年度末業務に追われております。

脳波レポートを書くにおいて、所見の本文を書いた後、最終評価を書きます。

カナダで教わったのは、その次にclinical correlationを書くことでした。Clinical correlationとは、直訳すれば、臨床所見との関連付けとでもいいましょうか。

え、なんでこれが必要?

と思うかも知れません。

実は、脳波の所見の解釈は状況によって異なりますし、素人には解釈ができない場合もあるからです。

例えば、右中心側頭部から、てんかん発射が出ている。波形は、ローランド発射の形態です。脳波の最終評価としては、異常脳波(右中心側頭部からのローランド発射)になります。

ですが、ある患者さんでこの所見が見られた場合、この方の診断は何になるのでしょうか?

これには臨床情報が必要です。

仮に、左顔面けいれんの病歴のある学童期の患者さんであれば、中心側頭部に棘波を示すてんかん(いわゆるローランドてんかん)が疑われます。この場合、clinical correlationは、病歴と総合すると、中心側頭部に棘波を示すてんかんが示唆されるとなります。

ですが、発作の病歴のない場合はどうなるのでしょうか? この場合、脳波異常のみで特定の診断にはなりません。Clinical correlationとしては、発作の病歴のない場合、この所見の臨床的意義は明らかではない等の書き方になるでしょう。

別の例として、発作の病歴があるのに正常脳波の場合、どうなるでしょうか?

カナダでは、以下のように教わりました。

正常脳波であっても、てんかんは臨床診断であるため、てんかんの診断は除外されない。病歴を含め総合的に判断を。

右前頭部に多型性(polymorphic)徐波がみられる場合、どうしましょうか?

患者さんが通常の意識状態で記録された脳波であれば、右前頭部に局在性の脳機能低下が示唆される。器質的病変の鑑別も必要なため画像検査の検討を、あたりでしょうか。細かく言えば、白質を含む障害があるも言えると思います。

しかし、てんかん発作の直後に記録された脳波であれば、上記に加え、右前頭部から始まったてんかん発作後の脳波変化をみている可能性もあります。

このように、同じ脳波でも、文脈によって解釈は異なります。

そのため、脳波レポートを書く際には、ここまで書くのが理想です。

自分達の診療科のみであれば、そこまで書かなくてもだいたい通じるのですが、カルテは他科の医師も読むことがあります。また、他科の医師から脳波判読を依頼される場合もあります。このような場合に、clinical correlationの記載がないと、脳波にてんかん発射があるから(発作がないにもかかわらず)てんかん、(発作があって臨床的にてんかんと考えられるのに)脳波異常がないからてんかんではない、といった誤解を招いてしまいます。

脳波は正常異常のみならず、その意味まで考える。これが大切です。

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2017/03/16

多剤併用の罠

難治てんかんの薬物治療でついついはまってしまう多剤療法。あくまで、非薬物療法が困難と考えた事例でのお話です。

こうならないように気をつけているつもりですが、なかなか難しい。紹介されてきた時点で多剤になっている方は、もっと難しい。

ある抗てんかん薬を使って発作抑制が得られない場合、次のお薬を試します。この際に、元の薬を中止できないと、多剤療法へのドアが開いてしまいます。

中止できない理由(言い訳)は色々とあるのです。

多少は効いた(かも知れない)。

減らすと発作が増えた。

新しい薬を加えてから減らそうと思っていたが、発作の改善が十分でなく減らせない。

でも、よく考えると、元の薬で発作は止められなかったのです。発作が減っただけでは効果不十分です。国際抗てんかん連盟によれば、発作ゼロにならなければ、その薬による治療は失敗です。そのような薬にこだわっても仕方がない。

いやいやそんな単純なものではない、というご意見もきっとあるでしょう。

でもね、聞きたいです。5剤も6剤も併用していて、2剤3剤と大きな差はあるの?

デメリットはたくさんあります。

処方が複雑になりミスの機会が増える。

内服が大変。

薬物相互作用を考えないといけない。

副作用が出やすい。出た場合、どの薬のせいか分からない。

新薬が使えるようになっても、簡単に試せない。

多剤になっている状態で、どれかを抜くための労力はたいへんです。患者さんにも頑張ってもらわないといけないし、時間もかかります。薬を何か加える際には、あらかじめどれを抜くか考えておかないといけないし、そう決めたらある程度は心を鬼にして入れ替えを完遂する意志が必要です。すぐには減らせなくても、チャンスと見るや減らす、そういった心配りも必要です。

私の前任地の静岡てんかん・神経医療センターでは、引き算の治療が重視されていました。多剤併用で紹介されてこられる方が多いため、入院して薬を減らすわけですが、発作の増減は一時的にあるものの結果的に減らせますし、副作用・内服の手間が減って患者さんは楽になります。

そもそも、多剤併用を避けるように処方されていれば、上記のような入院は要らないのであって、結果的に時間の大きな無駄を生じていることになります。

処方はシンプルがベスト!

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2017/03/11

脳波クイズ A4

前回のクイズの回答です。レベルは3くらいです。成人の脳波しかご存知ない先生だと、レベル5くらいに感じたかも?

A4

1. 縦連結の双極導出、いわゆるダブルバナナモンタージュです。

2. 睡眠時記録です。

3. 睡眠紡錘波(sleep spindles)です。

4. 正常脳波です。

解説

モンタージュは、Q1と同じです。4本ずつ左、右になっており、上の8本は側頭部を通り、次の8本は中心部を通ります。

睡眠時記録と考えるのは、後頭部優位の律動が出ておらず、睡眠紡錘波(sleep spindle)が出ているからです。ちなみに、8か月児では、後頭部優位律動の周波数は6~7Hz程度であり、θ律動です。α律動ではありません。

非レム睡眠段階2(sleep stage N2)に入ると睡眠紡錘波が出現します。下図の四角で囲ったのが睡眠紡錘波であり、青が左半球、赤が右半球からのものです。乳児期の睡眠紡錘波は成人のそれとは異なり、やや尖った形態を示します。

20170310

正常か異常かですが、これは正常脳波です。

睡眠紡錘波は左右同時に出現するのが原則です。左に出ていれば、その時には右にも出ている。そうでなければ異常です。

しかし、乳児は例外です。左右大脳半球の連絡が未成熟であるため、睡眠紡錘波は左右バラバラに出現します。この現象は、2歳までは正常と考えられています。

バラバラに出現するは言っても、ある一定時間の中で数えれば左右の出現回数には大差ありません。もし、片方が明らかに少なければ、少ない側の大脳半球に問題ありと考えます。

年長児以降で睡眠紡錘波が左右別々に出る場合は、異常です。脳梁欠損等、左右大脳半球の連携がよくない場合に、このようなことが起こります。

左右バラバラ紡錘波、大人と違うよ赤ちゃんは

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2017/03/04

脳波クイズ Q4

次なるクイズです。

Q4. 8か月女児。以下の質問に答えてください。

1. モンタージュは何か?

2. 覚醒時記録か、睡眠時記録か?

3. 持続2秒弱の特徴的な律動波形が出ている。何か?

4. これは正常脳波か、異常脳波か?

20170304

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2017/03/01

脳波クイズ A3

前回のクイズの回答です。レベルは、4~5くらい?

A3.

1. 同側耳朶を基準とする左右交互の基準導出(referential montage)です。

2. 睡眠時記録です。

3. 左側頭部、右側頭部、正中前頭~中心部からの突発波が出ています。前2つはてんかん発射で異常波形、最後の1つは頭蓋頂鋭波(vertex sharp transient)であり正常です。

4. 尖った波形のピークに向かう立ち上がりの傾斜、下がってくる部分の傾斜、引き続く徐波に違いがあります。解説参照。

5. モンタージュを変える。解説参照。

解説

モンタージュは、Q2と同じですので、省略します。

睡眠時記録と判定できるのは、後頭部優位のα律動がみとめられず、後述する頭蓋頂鋭波が出ているからです。

突発波ですが、大雑把に、左側頭部(T3、下図の青丸)、右側頭部(T4、赤丸)、正中前頭~中心部(Fz-Cz、緑の丸)を最大電位とする突発波が出ています。緑の丸は頭蓋頂鋭波(vertex sharp transient)で正常波形です。青丸と赤丸はてんかん発射で、棘波(spike)、棘徐波(spike-and-wave)、もしくはやや幅の広いものは鋭波(sharp wave)です。

20170301_1

てんかん発射と頭蓋頂鋭波は、波形そのものが異なります。基準導出で見ると、てんかん発射は、尖った頂点へ向けての立ち上がりの傾斜が比較的強く(より垂直)、下がってくる時はやや緩やかな傾斜になります。そして、直後に上向きのドーム型の幅広い波(徐波)が続くことが多いです。図では、真ん中付近の青丸、赤丸がそういった特徴を備えていると言えるでしょう。頭蓋頂鋭波は、立ち上がりの傾斜がてんかん発射ほど鋭くなく、上がり下がりの傾斜がそんなに差がありません。図の左側の緑丸は分かりやすい例かと思います。

部位の違いを分かりやすくする方法は、モンタージュを変えてみることです。元の図は左右交互の表示ですが、これを左半球、右半球、真ん中と表示する方法が1つです。その他の例として、横連結の双極導出を見てみましょう(下図)。この場合、真ん中(上から8~11本目)が、左側頭部から正中部を通り右側頭部に向かう表示になっています。青、赤、緑の尖った波が全く違った表示のされ方になりますので、分布の違いが明瞭になります。

興味のある所見を見つけたら、見やすい表示に変更してみることはとても大切です。

20170301_2

ちなみに、この脳波は、中心側頭部に棘波を示すてんかん、いわゆるローランドてんかんの方の脳波でした。

てんかん波のとんがり具合は非対称(上りはきついが、下りは楽)、後ろに徐波。

気になる所見は見やすい表示にして強調!

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2017/02/23

脳波クイズ Q3

久しぶりに脳波クイズです。

先日の全国てんかんセンター協議会総会でお会いした先生に、「このクイズは面白い」と言っていただきましたので、やる気アップです。

我こそはと思う方は、回答のコメントを下さい(管理人の承認後に掲載されます)。

Q3. 12歳男児。以下の質問に答えてください。

1. モンタージュは何か?

2. 覚醒時記録か、睡眠時記録か?

3. この脳波には、部位(≒最大電位の場所)が異なる突発性の波形(てんかん発射とは限らない)が複数出ています。部位はどこか? それぞれの波形は正常か、異常か?

4. 部位以外に波形そのもので異なる点はあるか? あるとすれば、その意義は?

5. 部位の違いを分かりやすくする方法は?

Bects_referential

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2017/02/21

ケトン食のレシピ

ケトン食療法は、お薬がなかなか効かない、いわゆる難治てんかんの患者さんで試される食餌療法です。

古典的ケトン食、中鎖脂肪酸ケトン食、修正アトキンス食(厳密にはケトン食ではない)がわりとよく使われています。

ケトン食は、医師の指示の元、栄養士との相談で行われます。自己判断で行うと、思わぬ危険があります。

患者さんによく言いますが、ケトン食は決して安全ではありません。非常に偏った内容の食餌であり、栄養学的に種々の問題があり、副作用に注意して行う必要があります。

とはいえ、薬よりも効く場合もありますので、治療の選択肢として頭に置いといて損はありません。

さて、患者さんと御家族にとって悩みのタネなのが、献立作り。糖質、脂質、蛋白質の量をきっちり計って、それに合わせて材料を準備して、かつ美味しく調理する。正直、これをこなしておられるご家族には脱帽です。

先日の全国てんかんセンター協議会総会で耳にしたのですが、私の前任地の静岡てんかん・神経医療センターのホームページにケトン食レシピのブログが掲載開始になりました。

こちらの栄養士さんたちは本当に熱心で、「この子は難しいだろう!?」と思った患者さんが食べてくれるようなメニューを色々考えてくれましたし、遠方からの入院患者さんが退院する時には帰りにケトン食のお弁当を持たせてくれるという心遣いです。ケトン食を食べていると、お出かけ時の食事が問題になりますから。

まだ始まって間がないようですが、今後の更新に期待です。

ケトン食を行っている患者さんの御家族と栄養士さんの知恵が結集した、ケトン食版クックパッドのようなものができたら最高ですね。

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