ある日の診療事例2、続き2
全身をぶるぶる震わせる2歳男児の話です。
情報の例をいくつか挙げます。
例1
突然両上肢を伸展させ、側方に挙上する。これと同時に頭部と体幹が前屈する。両下肢も伸展する。四肢、体幹の筋肉には力が入っており、細かくブルブル震えている。眼球は上転している。顔面はやや紅潮し、チアノーゼはない。これが約5-20秒持続する。終了後、意識は速やかに回復するが、持続が長い場合には疲れた様子を見せることもある。立位で起こった場合には、転倒する。座位で起こった場合には、前方へ倒れて床に頭部をぶつける。覚醒時に気づかれることが多いが、夜の睡眠時にも目撃されたことがある。頻度は、1日2-5回。
例2
突然頭と体幹が右に引っ張られるように右方向へ回旋する。眼球も右に寄っている。右上下肢は伸展、左上下肢は屈曲する。四肢、体幹の筋肉には力が入っており、細かくブルブル震えている。顔にはチアノーゼがみられる。持続は20-30秒。睡眠中に起こり、終了後はそのまま眠る。頻度は、2-3日に1回。
例3
突然肩をすくめるように挙上し、肩回り~顔面に力が入った状態で、細かくブルブルと震える。眼球は正面、チアノーゼはない。持続は1秒あるかどうか。首の後ろに冷たい物を当てられた時のような動きに似ている。しっかり覚醒して遊んでいる時などに起こる。倒れることはなく、この出来事の後は速やかに元通りになる。機嫌が悪くなることはない。何度か繰り返すことはあるが、間隔は不規則であり、しばらくの間全く起きないこともある。
以下、次回へ続く。
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