« 北京出張 | トップページ | 脳波クイズ A6 »

2017/07/07

がんのようなてんかん

がん(癌)のようなてんかんってあるのでしょうか?

ちょっとキツめで不適切な例えかも知れませんが、以下を読んでいただくためです(笑)。

てんかんとひとくくりに言っても、原因は千差万別です。

良性てんかん、難治てんかんという言い方がありますが、この2つは治療に関しては別の病気と言ってもよいくらい違います。

難治てんかんの方をずっと診療していると、脳波異常が徐々に拡がってくる方がおられます。最初は狭い領域からのてんかん発射だったのが、徐々に周囲に拡がってくる。そのうちに大脳半球内や反対側の半球にも異常が拡がる。発作の起こる場所も拡がってくる。

こんな感じです。

てんかん原性という過程があります。

正常な脳を、てんかん発作を起こすような病的な脳に変えていく過程です。

脳のどこかに発作をしょっちゅう起こしたり、てんかん発射がひっきりなしに出ている部分があると、そこにつながっている元々は正常な部分も、徐々にてんかん発射を出すようになり、しまいには自分で発作を起こすようになる。

悪い人と付き合っていると悪いことを覚えてしまう。朱に交われば赤くなる、というような現象です。

癌のように、癌細胞が拡がるのとは異なりますが、脳内の異常な回路が徐々に拡がってくる。あまりにも拡がってしまうと、てんかん外科で切除できなくなってしまう。こんなところが、ちょっと癌に似ているように思うのです。

これに伴い、認知能力も徐々に落ちてきたりします。

てんかん外科手術を行う場合、時期を適切に選ぶことは大切です。病気が進んでしまった場合、最悪手術不能になります。また、年齢が大きくなって手術した場合、幼い時期の手術よりも回復には時間がかかります。脳の可塑性が期待できなくなるからです。

難治てんかんは進行しうることを意識しておくことは大切です。

|

« 北京出張 | トップページ | 脳波クイズ A6 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 北京出張 | トップページ | 脳波クイズ A6 »