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2017/07/10

脳波クイズ A6

前回のクイズの解答です。レベルは3程度。

A6.

1. 同側耳朶を基準とする基準導出。左半球、右半球、正中部の順になっています。正中部のみ、基準電極は平均耳朶電極になっています。

2. 睡眠時記録。

3. 頭蓋頂鋭波、睡眠紡錘波、K複合波、14Hz陽性棘波。

4. 正常脳波。

解説

モンタージュについては省略します。

睡眠時記録である根拠は、後頭部にα律動(alpha rhythm)がみとめられず、後述するような睡眠に特徴的な波形がみられるからです。

下の図で、赤い三角は頭蓋頂鋭波(vertex sharp transient)、赤い線は睡眠紡錘波(sleep spindle)です。中央の頭蓋頂鋭波に紡錘波がつながった部分は、K複合波(K-complex)と呼んでもよいでしょう。K複合波の最初は、頭蓋頂鋭波のようにやや鋭かったり、もう少し丸みを帯びた高振幅徐波だったりします。これに紡錘波が続くパターンです。

水色の四角の部分に着目します。ここには睡眠紡錘波とよく似た周波数の波形が出ていますが、分布がより広い範囲にわたっており、波形自体もやや鋭いですね。これが、14Hz陽性棘波(14Hz positive burst)です。最近は、positive spikeというよりもburstという言い方が正式なようです。日本語だと陽性群発ですが、あまり使われていないので、ここでは従来の陽性棘波という言い方にしています。

20170710_1

ちょっと待ってよ、陽性と言ったけど、上向きだよ!

と思った方はおられますか?

そのとおりです。上向きだと陰性ですね。脳波の世界では。

モンタージュを変えてみます。

20170710_2

基準導出ですが、基準電極を平均基準電極にしました。

どうですか? 頭の後ろの方で下向き(陽性)になっているでしょう?

陽性棘波は、後側頭部(T5、T6)付近で陽性を示すのが特徴とされています。前頭部では上向きに見えますが。

14Hz positive burstは、正常亜型(normal variants)の1つです。波形は、小文字のmが続いたような波形になります。少し隙間が空いて6Hzになることもあり、6 & 14Hz positive burstと呼びます。

昔は自律神経発作と関連があるとされていましたが、現在は臨床的意義は乏しいとされています。尖っていますので、てんかん発射と間違えないように気を付けましょう。

ムムムッ(mmm)? 陽性棘波!

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