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2017/03/01

脳波クイズ A3

前回のクイズの回答です。レベルは、4~5くらい?

A3.

1. 同側耳朶を基準とする左右交互の基準導出(referential montage)です。

2. 睡眠時記録です。

3. 左側頭部、右側頭部、正中前頭~中心部からの突発波が出ています。前2つはてんかん発射で異常波形、最後の1つは頭蓋頂鋭波(vertex sharp transient)であり正常です。

4. 尖った波形のピークに向かう立ち上がりの傾斜、下がってくる部分の傾斜、引き続く徐波に違いがあります。解説参照。

5. モンタージュを変える。解説参照。

解説

モンタージュは、Q2と同じですので、省略します。

睡眠時記録と判定できるのは、後頭部優位のα律動がみとめられず、後述する頭蓋頂鋭波が出ているからです。

突発波ですが、大雑把に、左側頭部(T3、下図の青丸)、右側頭部(T4、赤丸)、正中前頭~中心部(Fz-Cz、緑の丸)を最大電位とする突発波が出ています。緑の丸は頭蓋頂鋭波(vertex sharp transient)で正常波形です。青丸と赤丸はてんかん発射で、棘波(spike)、棘徐波(spike-and-wave)、もしくはやや幅の広いものは鋭波(sharp wave)です。

20170301_1

てんかん発射と頭蓋頂鋭波は、波形そのものが異なります。基準導出で見ると、てんかん発射は、尖った頂点へ向けての立ち上がりの傾斜が比較的強く(より垂直)、下がってくる時はやや緩やかな傾斜になります。そして、直後に上向きのドーム型の幅広い波(徐波)が続くことが多いです。図では、真ん中付近の青丸、赤丸がそういった特徴を備えていると言えるでしょう。頭蓋頂鋭波は、立ち上がりの傾斜がてんかん発射ほど鋭くなく、上がり下がりの傾斜がそんなに差がありません。図の左側の緑丸は分かりやすい例かと思います。

部位の違いを分かりやすくする方法は、モンタージュを変えてみることです。元の図は左右交互の表示ですが、これを左半球、右半球、真ん中と表示する方法が1つです。その他の例として、横連結の双極導出を見てみましょう(下図)。この場合、真ん中(上から8~11本目)が、左側頭部から正中部を通り右側頭部に向かう表示になっています。青、赤、緑の尖った波が全く違った表示のされ方になりますので、分布の違いが明瞭になります。

興味のある所見を見つけたら、見やすい表示に変更してみることはとても大切です。

20170301_2

ちなみに、この脳波は、中心側頭部に棘波を示すてんかん、いわゆるローランドてんかんの方の脳波でした。

てんかん波のとんがり具合は非対称(上りはきついが、下りは楽)、後ろに徐波。

気になる所見は見やすい表示にして強調!

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