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2017/01/26

脳波クイズ Q2

脳波クイズ第2弾です。

Q2. 7歳女児。以下の質問に答えてください。

1. モンタージュは何か?

2. 覚醒時記録か、睡眠時記録か?

3. 赤丸で示した下方向の大きな振れは何か? 何故起こるのか?

4. 青丸で示した下方向の小さな振れは何か?

20170126

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2017/01/23

脳波クイズ A1

前回の脳波クイズの解凍です。

小児で時折みられる鋭い波形についての問題でした。

レベル的には、1(簡単)~10(難しい)のスケールで、3あたりです(僕の独断です)。

A1.

1. 睡眠時記録です。

2. 縦連結の双極導出。俗にダブルバナナ(double banana)と呼ばれるモンタージュです。

3. POSTsと呼ばれる波形で、正常亜型(normal variants)の1つです。

4. モンタージュを基準導出(referential montage)に変更すると、後頭部に下向きに現れることで確認できます。下の図の赤丸に注目してください。

20170123_1

解説

後頭部にα律動がみられず、画面中央部に頭蓋頂鋭波(vertex sharp transient、赤色の四角)、その右に睡眠紡錘波(sleep spindle、緑色の四角)がみとめられるので、非レム睡眠2段階(stage N2)の記録です。

20170123_2

モンタージュは、10-20電極法の電極配置図を参考にしてください。電極同士を線で結ぶと2つのバナナが見えますので、ダブルバナナと呼ばれます。

赤丸の波形は、POSTs(positive occipital sharp transients of sleep)と呼ばれる波形で、浅い睡眠でみられます。連発する場合もあります。Positiveとあるように、陽性波形ですので、基準導出では下向き(脳波では、陰性が上向き)になります。てんかん発射は通常は陰性ですので、上下の向きが異なるわけです。

小児のPOSTsは成人よりも鋭い波形を示すことがあり、頭頂部や後側頭部からのspikeと間違われやすいため、要注意です。正常亜型(normal variants)の1つですが、正常亜型とは、比較的少数の人にみられる病的意義が明らかではない波形のことです。

POSTsは慣れればすぐに分かりますが、自信がない場合には基準導出で確認した方がよいです。今時のデジタル脳波ではモンタージュ変更が簡単ですから、試してみてください。

Spikeと間違えるな、子どもの鋭いPOSTs。

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2017/01/19

脳波クイズ Q1

脳波をなかなか勉強する機会がない、という先生方は多いと思います。

脳波判読が上達するベストの方法は、熟練した上級医と一緒に討論しながら読むことです。

とは言っても、なかなかそういった研修ができる施設は乏しいので、何かお役に立ちたい。

そのため、不定期に脳波クイズを出すことにします。

というわけで、記念すべき第1問。

Q1. 7歳女児。以下の質問に答えて下さい。

1. 覚醒時記録か、睡眠時記録か?

2. モンタージュは何か?

3. 赤丸で示した尖った波形は何か? 正常、異常?

4. この尖った波形の正体を確かめる良い方法は?

20170119

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2017/01/15

牡蠣と牛肉の炒めもの

きょうの料理で放送されていた、牡蠣と牛肉の炒めものを作りました。

20170115_2

牡蠣はちょっとサービスして、多めに。

ん~、この組み合わせ、最高です。

調味料は醤油、みりん、塩、胡椒だけなのに、牡蠣と牛肉のおいしいエキスが出まくってます。

岡山には、日生という牡蠣の名産地がありますからね。冬は牡蠣料理がオススメです!

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2017/01/11

立体角(続き)

前回、立体角を使うと脳波のspikeの電流源と頭皮上での分布の関連性が理解しやすくなると書きました。

脳波のspikeの電流源を双極子(近い距離にプラスとマイナスの電荷がある、英語はdipole)に例えることがよくあります。実際には、電流源は点ではなく、ある程度の拡がりを持ちますが、今回はそれについては考えません。

何故双極子に例えるかというと、てんかん発射の際に、錐体ニューロンではPDS(paroxysmal depolarization shift)という脱分極が起こっているのですが、通常は錐体ニューロンの脳表側(樹状突起)がマイナス、深部(細胞体)がプラスになるのです。

なので、てんかん発射は通常は脳表で陰性です。

さて、この双極子をディスクに例えます。マイナス側を青色、プラス側を赤色としましょう、これを電流源の位置に電流源の向きに置きます。てんかん発射の振幅が大きければ、ディスクの直径を大きくしましょう。

次に、脳波の各電極の位置(点)から、ディスクの色が何色でどのくらいの大きさに見えるか調べます。ここで、立体角が出てきます。ディスクに近づけば近づくほど、ディスクは大きく見えますね。これは、電極の点を頂点とした時のディスクが作る立体角が大きくなるからです。つまり、見かけの大きさが大きくなるのです。

でも、ディスクに対して垂直方向からではなく、斜め方向からみると、距離が同じであってもディスクの見かけ上の大きさは小さくなります。立体角が小さくなるのですね。ディスクの真横に行くと、赤い面も青い面も見えません。立体角はゼロになるわけです。

各電極でのspikesの極性はディスクの色、振幅はディスクの見かけ上の大きさ(立体角に比例)で決まります。以下の図をご覧ください。

20170110

上側は電流源の向きが脳表に対して垂直の場合、下側は脳表に対して平行の場合です。

上側はシンプルですね。電流源の直上でspikeの振幅が最大です。

下側は単純ではありません。電流源の直上では何も見えないのです。そして、離れた電極にマイナスとプラスが見える。脳表ってマイナスだからこんなことは起こるの? と思われるかも知れませんが、脳溝に面している脳回は脳表に対して垂直方向を向いていますので、このようなことが起こります。ローランドてんかんなどでよく見られるパターンで、ローランド棘波では中心側頭部がマイナス、前頭部がプラスになります。

なので、下の図のように、電流源は何も見えない所の直下にある場合もあるのです。

トロントのO2先生曰く、

Spikeの出ている所だけを見るのはneurologist(神経科医)、spikeの電流源の位置を考えながら脳波を読むのがclinical neurophysiologist(臨床神経生理学者)

とのことです。

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2017/01/10

立体角

立体角(solid angle)という概念があります。

ふつうの角は、みなさんよくご存知ですね? 1つの点から2本の直線(半直線)が出ている場合、その間の広がりの度合いです。30°とか45°とかですね。

立体角は、その立体版です。

例えるなら、円錐にも尖ったものやそうでないものがありますが、円錐の内側の広がり具合とでも言いましょうか。

この立体角を使うと、脳波のspikeの電流源と頭皮上での分布の関連性の理解がしやすくなります。

私が勉強に行っていたトロント小児病院では、週1回で脳波セミナー(脳波専門医資格を目指すための勉強会)が開かれていたのですが、立体角理論(solid angle theorem)についての講演をスタッフのO2先生がしてくださっていました。

詳しくは、また後日。

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2017/01/09

日本語の脳波教科書

臨床脳波学 第6版

名著、大熊先生の臨床脳波学の改訂版が昨年11月に出版されました。私も、かつてこの教科書で脳波の勉強をしました。

しっかり脳波を勉強したい方には、英語ならNiedermeyer、日本語なら大熊です。

最後の版から15年以上経ち、満を持しての改版。

脳波の生理学的基礎の話から、種々の疾患における脳波、そしてデジタル脳波についての記載も含まれています。

脳波専門医を志すならば、持っておいて損はしない一冊でしょう。

Niedermeyer's Electroencephalography

ちなみに、Niedermeyerは、こちらです。

これは、まさに脳波の百科事典。

知りたいことが、何でも書いてあるといった感じです。

これも医師1年目時代(!)からお世話になりました。上司に「質問する前に、これくらいは読んでこい」と言われたので。

脳波を極めたい方には、強くお勧めです。

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2017/01/02

謹賀新年

1日遅れですが、明けましておめでとうございます。

お正月から仕事でして、本日は朝9時直前にうるう秒が入って1秒長かったことなど、全く気づきませんでした。

地球の時点が徐々に遅くなってきているからなのだそうで、原子時計とずれてくるのだそうです。

とっても細かい... が、時間はとても大切です。

今年は、めちゃくちゃ忙しくなりそうな予定です。診療、管理、教育、研究、全てボリュームアップが起こる予定です。とりあえず、溺れないように乗り切らなければ。

そのためには、余計なものはそぎ落として、効率化が必要です。これを今後考えていかないといけません。このままだと、パンクするのは目に見えていますので。

今年は、ぜひ飛躍の年にしたいなと思います。

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