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2016/11/12

脳波で何が分かるのか? その限界

脳波検査は、50年以上の歴史があるとても大切な検査です。

てんかんの診断・除外に最も有益な補助検査であるというのは有名です。てんかん診療において、脳波以上に役立つ検査はないでしょう。

でも、脳波が答えてくれないことはたくさんあります。

仮に脳波でてんかん発射があったとして、例えば、

1. その方はてんかんなのか?

2. てんかんでないとすれば、将来的にてんかんになるのか?

3. 次のてんかん発作はいつ起こるのか?

4. 薬を続けるべきなのか、それとも止めてもよいのか?

といった疑問に脳波は答えてくれません。

1.については驚いた方もおられるかも知れません。

てんかんは、脳波で診断するんでしょ? という声が聞こえてきそうです。

脳波ばかり信じていたら落とし穴にはまりますよ、と僕は答えたい。

てんかん診療で脳波を過信すると、過剰診断・見逃しの原因になります。見るべきは患者さん、聞くべきは発作の病歴。これが第一で、脳波は二の次です。検査に患者さんを合わせてはいけません。患者さんのお話に脳波の結果が合わないのなら、立ち止まって考えるべきなのです。

脳波でてんかん発射が出たからてんかん、脳波でてんかん発射が出たから抗てんかん薬内服、という話にはなりません。

検査には限界がある。これをよく知ったうえで充分活用するのが専門医です。

もちろん、脳波についての研究がずっと進んで、上の疑問への答えが出てくるようなら話は変わってきますので、念のため。

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