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2016/02/09

ピリドキシン依存性てんかんの代謝マーカー

以前にも書きましたが、ピリドキシン依存性てんかん(古くからビタミンB6依存性てんかんとして知られている)を生化学的に診断するマーカーとして、α-AASA(とP6C)とピペコリン酸があります。

20160209

ALDH7A1遺伝子の異常でα-AASAが貯留し、これと平衡状態にあるP6Cが活性型ビタミンB6であるピリドキサールリン酸(PLP)を不活化するため、抑制性神経伝達物質であるGABAの合成(PLPが補酵素として必要)が滞り、けいれん発作が起こると考えられています。

α-AASAとP6Cの測定はちょっと複雑で、国内で測れる施設はまだありません(今、測定系を作っている最中です)。

もう1つ上流のピペコリン酸は安定した物質で、α-AASAよりは測定が容易です。

ピペコリン酸を測ろうと思い立って2年近く経ちますが、最近になってようやく測定が可能になりました。これで、ピリドキシン依存性てんかんの生化学的診断に向けて一歩進むことができたことになります。

次に目指すは、α-AASAという大きな山です。6合目くらいまでは来ているんだけどな...

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コメント

はじめまして
当方は、犬の保護活動をしている者なのですが、この春保護した子犬の兄弟の中の数頭に、テンカン様の発作を起こす個体が出まして、掛かり付けの獣医さんと相談しながら、いろいろなテンカンの薬を試してみたのですが、効果がなく、少しずつ食欲が低下し、次第に動けなくなって行く様子なので、同じような症例の子がいないものかと、ネットで調べていたら、こちらの「ピリドキシン依存性テンカン」と言うものを見つけました。
人間と犬とを一緒にして考える訳にはいかないのだろうと思いながら、ダメ元で、発作の際にピリドキサールを飲ませてみたら、発作が止まったので、もしかしたら、同じ物なのではないかと感じ、メールさせて頂いた次第です。
この子犬達の親は、父親犬と娘犬で、近親交配で出来た個体になります。
9頭生まれ、生後2日で1頭が急死し、生後2ヶ月を過ぎ離乳食に切り替わった辺りで、3頭が、同じようなテンカン様の発作を起こし、どの子も、通常よく犬に使われるテンカン薬への反応が良くないのです。
3頭の中で、2番目に発作を起こした子は、次第に衰弱し動けなくなり、結局、1ヶ月程過ぎた頃に亡くなりました。

すでに希望者さんのお家に行った個体もあり、3頭は、別々の家庭にいて、別々の食生活をしていました。
うちにいるのは、里親さんの家に行く前に発作を起こした個体です。

別々の獣医さんに掛かったのですが、全く同じような処方を受けました。
発作を起こした個体で、今、生きている子は、うちにいるオスの子と、もう1頭のメスの子なのですが、そちらは、既に、網膜も萎縮し、身体もほとんど動かせなくなり、寝たきりに近い状況になっていて、一番最初に発作を起こしたうちにいる子よりも、状態は、悪化している状態です。

うちにいる子と、他の2頭との違いは、私個人が、ビタミンB系の不足だったりしないのか・・・と、疑ったもので、うちにいる子には、私から獣医さんに頼んで、ビタミンB剤を与えて貰っていたことです。

ビリドキシン依存性テンカンと言うものがあることを知って、ダメ元でピドキサールを与えてみたら、発作が起きないばかりではなく、既に、ミルクしか飲めなくなっていたうちの子が、今日は、缶詰の軟らかいフードは、美味しそうに食べてくれました。

それで、教えて貰えたらなぁ~と思ったことがありましたもので、こちらからメッセさせて頂いた次第です。

http://grj.umin.jp/grj/pds.htm
この↑ページに書いてある「ピリドキシン 30 mg/kg/day の経口投与」と言う内容を見て、試しにこの数量を与えてみようと思ったのですが、現在6kgの個体の場合、180mg/day与えることになるのだと思いますが、その与え方は、一定綾をまとめて与えた方が良いのでしょうか? それとも、出来るだけ均一に、分けて与えた方が良いのでしょうか?
例えば、朝90mg夕90mgと言う方法と、朝45mg昼45mg夕45mg寝る前45mgと言う方法とでは、どちらの方が良さそうなのでしょう?
(今日は、6時間起きに45mgづつ与えてみたのですが・・・。)

それと、与えるビリドキシンは、やはり、ピリドキサールリン酸エステル水和物の方が良いのでしょうか?
これまでも、塩酸ピリドキシン塩酸塩が入ったノイロビタンを出してもらっていたのですが、それですと、これほど目に見えた効果がなかったで、やはり、効果が目に見えて違うものなのかなぁと思ったのですが、その辺は、どうなのでしょうか?

大変図々しいお願いの内容を質問させて頂きましたが、もしも、ピリドキシン依存性テンカンだった場合、どう言う治療方法をするのかを教えて頂けたら、助かります。

これまで、何を試しても効果が無かったので、藁をも掴む思いで、失礼を承知の上で、メッセさせて頂きました。
突然このようなメッセをした失礼をお許し頂ければ幸いです。

山形県在住の鈴木より

投稿: 鈴木和子 | 2016/08/31 17:10

鈴木さん

興味深い事例ですね。近親交配ですから、常染色体劣性遺伝疾患の可能性は充分あります。

ピリドキシン依存性てんかん(ひらがな表記が正式です)では、ピリドキシンでもピリドキサールリン酸でも効きます。ノイロビタンに含まれているピリドキシン塩酸塩は微量です(サプリレベル)。ノイロビタンをどの程度の量で処方してもらったかご確認下さい。

犬に対して、人間と同じ30mg/kg/日を使ってよいかどうか、私は分かりません。獣医師にご相談ください。症例報告があるかも知れません。

ピリドキシン依存性てんかんであれば、ピリドキシンまたはピリドキサールの大量内服を生涯続ける必要があります。途中で中止すると再発します(なので依存性)。

人間で診断する場合も、昔は薬を中止して発作が再発することを確認し、薬を再開して発作が再び止まることを確認して診断しておりました。今は遺伝子診断ができるため、その必要はありませんが。

投稿: あきちゃん | 2016/08/31 19:31

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