« 熱性けいれんの脳波異常に抗てんかん薬? (続き) | トップページ | 低ホスファターゼ症 »

2015/10/03

日本てんかん協会全国大会

日本てんかん協会の全国大会に来ています。

波の会とも呼ばれますが、てんかん患者さんの会です。

駅から会場までタクシーに乗ったところ、運転手さんから何かの会があるのかと尋ねられました。何人か乗せたのだそうです。

日本てんかん協会の全国大会があるのだとお伝えしたところ、何十年も前に同級生にてんかんの方がおられ、突然倒れたのを覚えておられると言われました。もちろん、ふだんは全くふつうの方だったそうです(てんかん患者さんは、発作をしていない時は健常人と変わりがない)。

いくつか質問されたので、丁寧にご回答いたしました。

印象に残ったのは、「てんかんという名前はあまりよくない」「バカにしている感じがする」と言われていたことでした。

てんかんは、現在は漢字表記をしていません。元々の漢字には確かに差別的意味があるからです。これは漢語圏(中国や韓国)でも問題になっています。韓国では、てんかんの病名を変えました(脳電症)。日本では今後どうするのか興味はあります。てんかん学会からもアンケートが来ました。

ただ、私は病名変更による効果には懐疑的な立場です。病名を変えても理解が進まなければ同じことだからです。一方、病名を変更すると、法令等たくさんの変更手続きが必要です。おそらく膨大な費用が発生することでしょう。

であれば、その費用をつぎ込んで、てんかんについて啓蒙するCMを毎日テレビのゴールデンタイムに流した方がよっぽどよいです。WHOがてんかんに関する決議をしたのだから、国を挙げてそのくらいして欲しい、と正直思います。

てんかんは100人に1人。全国で100万人はいると言われています。神経系の病気で、頭痛についで多い。子どもから高齢者に至るまで、何歳でも発病する可能性があります。なのに、みんなろくに知らない、知ろうとしないのです。

本当に知るべきなのは、今回のような全国大会に出てきている方たちではありません。この方達は知識を持っているからです。自分や自分の家族には関係ないだろうと思っている、本当に一般の方々に知識を得てもらうためには、日常みているテレビなどで啓蒙するしかないのではないかと思います。最近は、インターネット広告などもありでしょうね。

|

« 熱性けいれんの脳波異常に抗てんかん薬? (続き) | トップページ | 低ホスファターゼ症 »

コメント

てんかんの名称を変更することに賛成します。たしかに、名前がかっこよくないし、漢字名から症候群が推察できないことは大問題ではないかと気付かされました。人はわからないものを恐れ排除します。美男美女ならOKですよね。「てんかん」という名称はマスコミなどにより「よくわからないが忌み嫌うべきもの」というマイナスイメージを刷り込まされています。少し前の鬱に対するそれと同様に。スマートな神経系の名前に変更し、いっそのこと「てんかん」は差別用語でとしマスコミに通達する。その上で啓蒙しないとムダどころか逆効果と思います。
名称は医療系のためだけではなく、患者のためであることを認識されたい。
ただし、「脳電症」はいただけません。なぜなら一般の人は脳(神経)には電気が流れている事が正常であると知らないと思われるからです。
よくわからないから怖いのであり、知ろうとしないのです。啓蒙が進まない理由のひとつ。

投稿: 吉祥寺 | 2015/10/31 11:31

吉祥寺さん、コメントありがとうございます。

もっとみんなが聞いて分かりやすい病名を、というのは大切だと思います。

病名変更については、これからも議論が続いていくことと思います。

投稿: あきちゃん | 2015/10/31 15:51

病名変更に賛成です。私は病名変更はあくまでも人々の注目を集めるための手段で、啓蒙の効果をあげるためのものと考えています。
 一般の人にほとんど知られていなかったてんかんが、突然注目を集めたのは悲惨な交通事故でした。あの時初めててんかんを知った人やあれから交通事故と言えば「てんかんでは?」と思う人も多いと聞きます。つまりてんかんに対する差別偏見はさらに強くなりました。てんかんの啓蒙が迫られています。
 病名を変更すれば「てんかんが△△△に病名変更」とテレビや新聞などが一斉に報道します。多くの人がマイナスの先入観を持つことなく注目するでしょう。これこそが病名変更の目的で、啓蒙のチャンスです。病名変更を効果のあるものにするかどうかはここで決まるのではないでしょうか。毎日テレビでてんかんのCMを流す、いいですね。 
 注目を契機に、学会を中心にいろんな方法で国民の正しい理解を進めていただきたいと思います。

投稿: 未来子 | 2016/12/16 15:10

未来子さん

ご意見ありがとうございます。

病名変更が契機となり、マイナスの先入観なしで話題になるのはうれしいことですね。確かに「自動車事故 = てんかん」というようなイメージが出来上がっており、そのような文脈でしかニュースに話題が出てこない、といったマイナスイメージがあるのは事実だと思います。

以前に吉祥寺さんからいただいたコメントもありますが、医師としての自分の感覚だけからでは、どうしても偏った考え方になってしまうな、と感じました。今後もよく考えていきたいです。ありがとうございました。

投稿: あきちゃん | 2016/12/16 18:47

こんにちは やっとブログを始めましたが、おぼつかない感じです。
 最初に、私が発病した時の様子を書きました。さらに「てんかん」ということばそのものについて調べている途中です。
 yahoo!画面を開いて「てんかん、病名を考える」で検索すると出てきます。
 読んでいただけたら幸いです。   以上お知らせまで

投稿: mirai55 | 2017/07/04 15:46

mirai55さん、

ブログを最初から拝見いたしました。

医学生や医師ですら、けいれんしないてんかん発作がたくさんあることを知っている方はそう多くありません。一般の方ではなおさらでしょう。

てんかんの漢字の語源については興味深く拝見させていただきました。自分の知らない内容もあり、勉強になりました。ありがとうございます。

投稿: あきちゃん | 2017/07/04 20:40

早速読んでいただきありがとうございました。 昨日は挨拶もなしに失礼しました。てんかんとわかるまでの苦しさ、誰かに伝えたくてたまりません。
 現在発作は完全には止まっていませんが軽いので、なんの支障もなく日常生活を送っています。そのためでしょうか?てんかんという病名自体に興味を持っています。
 私の思いを十分読み取っていただいて感激です。

投稿: mirai55 | 2017/07/05 09:30

「医学生や医師ですら、けいれんしないてんかん発作がたくさんあることを知っている方はそう多くありません」とのこと。驚きました。
 私も他科の医師に対して「てんかんのこと、ちゃんと知っているのかな?」と思ったことが何度かありました。
 てんかんの人は100人に1人、全国に100万人もいます。すべての医師や医学生は、てんかんについて、一般の人以上に正しく知っておくべきですよね。

投稿: mirai55 | 2017/07/06 10:38

mirai55さん

驚かれましたか。しかし、それが現実です。

私の勤める大学では、臨床実習の際に発作のビデオ教材を医学部生に見せ、けいれん発作だけがてんかん発作ではないことを強調して教えるようにしています。

学生さんたちが医師になっても、覚えておいてほしいと願いつつ...

医療関連ですらこのような現状ですから、世間一般に知識を広げていくのは、気の遠くなるような仕事であります。

投稿: あきちゃん | 2017/07/06 18:08

学生さんたちへ
てんかんについて正確な知識を持っていて下さい。もし発病時の私みたいな患者がきたら、てんかんも疑ってほしいのです。
 あの日O先生に出会わなければ、今の私はいないのですから。
 発病前の私は「てんかんは倒れてけいれん発作を起こす病気」だと思っていました。あれから40年以上も経つのに、医療関係者でさえ、てんかんの知識は少しも変っていないんですね。ガッカリです。
ところで知りたいことがあります。
てんかんの人のうち
A癲癇(倒れてけいれんを起こす)人
B癲癇でない(倒れないし、けいれんを起こさない)人
Cその他(倒れるけど、けいれんはないなど)の人
A B Cの割合は大体どれくらいなんでしょうか?わかったら教えて下さい。

投稿: mirai55 | 2017/07/07 16:50

mirai55さん

けいれんを起こす発作の方は、やはり多数派ですね。小児では確実に半数を超えます。たぶん7-8割はいくでしょう。成人については、詳しく知りません。

残りの大部分はけいれんを起こさない発作です。意識が曇るもの、意識は保たれていないもの、色々です。

倒れるけれどけいれんはない発作は、少数派です。一瞬脱力する発作等です。上記のけいれんを起こさない発作であても、発作を起こした状況によってはバランスをくずして倒れる場合もあります。

投稿: あきちゃん | 2017/07/07 17:40

(コメント者からの要望により削除)

投稿: mirai55 | 2017/07/08 21:07

 びっくりされたでしょう。すみませんでした。わけのわからない文を送信してしまいました。削除してください。私は削除の方法がわかりません。私自身さっき気づいて、急いでこの文を書いています。 
 
 発作の割合を教えていただいてありがとうございました。2~3割はけいれんのない発作なんですね。つまり癲癇ではないてんかん、多くの人に理解されていないてんかん発作です。私もその一人ですのでよけいにてんかんという病名に興味を持ったのかもしれません。
 
 ブログ「てんかん、病名を考える」誰かに読んでもらいたくて苦手なブログに挑戦中です。
 
 こんな会話ができて楽しかったです。ありがとうございました。また私のブログ読んでいただければ幸いです。

投稿: mirai55 | 2017/07/09 15:19

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 熱性けいれんの脳波異常に抗てんかん薬? (続き) | トップページ | 低ホスファターゼ症 »