« ピペコリン酸とα-AASA | トップページ | 熱性けいれんの脳波異常に抗てんかん薬? »

2015/09/25

抗てんかん薬の脳波改善効果

抗てんかん薬の治療ターゲットは、てんかん発作であり、脳波異常(てんかん性発射)ではありません。

これは、ずっと以前からこのブログに書いてきたことです。

理由は、抗てんかん薬は、てんかん発作という症状をただ抑えるための薬、つまり対症療法の薬だからです。脳そのものの異常を直す(抗てんかん原性)ではありません。

お薬で治療すると、通常は発作がまず止まり、その後時間をかけて脳波がよくなってきます。発作が止まってから脳波異常が消えるまでに何年もかかることもあります。

だから、薬で脳の異常が治っているのではなく、自然経過(患者さん自身の力)で治っているのだという考え方が出てきます。なので、自然治癒力の強い子どもの方が大人よりも治りやすい。直感的に分かりやすい意見です。

先生によっては、てんかん性発射は、てんかん発作の(前ではなく)後に増えるとされているデータを基に、発作が長期に抑制されることでてんかん性発射が減ってくるのだと言われる方もおられます。

どういう理由にせよ、お薬の治療目標が発作を抑えることであり、脳波異常を直すことではない、というのが大事です。脳波異常を無理に消そうと薬を増やしていくと、患者さんは無駄な副作用に苦しむことになります。

抗てんかん薬の中では、脳波異常に効かないとされている薬があります。このような薬をいくら増やしても脳波はきれいになりません。発作を止め、脳波の改善はじっくり待つのが正しいです。

一方、脳波の改善効果がある(かも知れない)薬もあります。発作が止まったうえに脳波も改善したなら、さぞかしよいことがあるのかも知れませんが、このような薬をぜひ使うべきだという証拠はまだ見つかっていないと思います。

複数の薬で、発作抑制効果、脳波改善効果、そして認知機能への長期的影響を比較検討できたなら、興味深い結果が得られるかも知れません。

|

« ピペコリン酸とα-AASA | トップページ | 熱性けいれんの脳波異常に抗てんかん薬? »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« ピペコリン酸とα-AASA | トップページ | 熱性けいれんの脳波異常に抗てんかん薬? »