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2015/06/01

全般発作と焦点発作

以前の記事で、こう書きました。

ざっくばらんに言えば、全般発作は発作の最初から両側の大脳で発作活動が起こるもの、焦点発作は発作の最初は片側の大脳で発作活動が起こるものです。

これは、現在の考え方では必ずしも正しくありません。

ILAE(国際抗てんかん連盟)の2010年報告書によれば、全般発作は以下のようになります。

両側大脳半球の広いネット ワーク内のある部分に発生し、このネットワーク全域が急速に発作に巻き込まれるものを指す。このような両側大脳半球のネットワークには皮質および皮質下構造が含まれるが、皮質全体は必ずしも含まれない個々の発作の起始部位は限局しているように見えるが、部位と病側は発作ごとに異なる。 全般発作症状には非対称性もありうる

全般発作でもスタート地点は局所であることは、今では当たり前のように言われています。ポイントは、スタートが局所であっても直ちに両側に広がることスタート地点が一定しないこと、です。

全般発作を示すてんかんの方の発作間欠時脳波でも、一側優位に異常波が見られることは多々あります。ですが、右優位に出たり左優位に出たりして一定しない。英語では、これをgeneralized ○○ with shifting predominanceと言ったりしています。

以前の記事で述べた二次性両側同期では、一側優位性にもっと一貫性があります。100%とは言いませんが。

ILAEによれば、焦点発作は以下のごとくです。ちなみに、部分発作とはもう呼びません。

一側大脳半球内に限られるネットワーク内に起始するものを指す。この発作は、明確に限局しているものと、より広く伝播するものとがある。焦点発作には皮質下構造に由来するものもあるかもしれない。それぞれの発作型において、起始部位はどの発作でも一定しており、対側大脳半球にも及ぶことのある選択的な伝播パターンを伴う。ただし,複数のネットワークに起こるものや複数の発作型を持つものもあるが、起始部位はそれぞれの発作型ごとに一致している。

焦点発作のポイントは、スタート地点が一側半球内の一定の限られた領域であることです。焦点とは言いますが、これは点のような狭いものではありません。ある程度の広さをもった領域(ネットワーク)です。

患者さんにお話しするときは、一番最初のざっくばらんなお話をすることが多いですが、てんかん専門医としては、2010年報告書の内容は記憶にとどめておいた方がよいです。といっても、そろそろ改訂版が出ると思われますので、今後どうなるかは分かりませんが。

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