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2015/06/16

発作時脳波 - 焦点発作5

前回の、焦点発作の発作活動における、振幅、周波数、空間的拡がり、形態の時間的変化の話題の続きです。

一般的には、発作活動を起こしている神経細胞の集団が小さいほど、高い周波数の波が出ます。ですが、発作活動が周りに拡がり、興奮している神経細胞の集団が大きくなればなるほど、周波数は低くなります。組織が大きくなると、足並み乱れずサッと動く、というわけにはいかなくなるのでしょうか?

焦点発作の場合、発作の本当に最初は、少ない数の神経細胞だけが興奮しているはずです。なので、周波数の高い波(速波)が出ると思われます。脳波で発作を記録したとき、最初に限局した速波が見えたらしめたものです。発作の起始部を捕まえることができているからです。

発作時脳波で、最初から徐波が見えた時には、発作の本当の起始部は見えていないと考えた方がよいです。ゆっくりな波は、ある程度発作活動が拡がらないと出てこないからです。この場合、本当のスタート地点は、脳波の電極から離れた場所、つまり脳の底面や内側部などの深部にあると考えるのがふつうです。

側頭葉の海馬由来の発作を例に挙げます。海馬からの活動は通常の脳波では記録できません。周囲の側頭葉の皮質に発作活動が拡がってから脳波の変化が見えてきます。この辺りは、頭蓋内脳波をとればよく分かります。症状をみても、発作症状のスタートが、脳波で変化が現れるよりも早いです。

このように、焦点発作の発作時脳波の波形を見ますと、発作の開始位置、どの程度の深さか等の情報がある程度得られます。もちろん、これだけで全てが分かるわけではなく、発作症状や画像所見等、色々の情報が必要です。

集中治療の場では、最低限発作か否かがある程度分かればよいです。しかし、てんかんの精査入院の場合は、あらゆる情報を総動員して、発作焦点の位置を絞り込むことが必要です。これが、てんかん専門医、脳波専門医の技です。

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