« 発作時脳波 - 焦点発作1 | トップページ | WHOでのてんかんに関する決議 »

2015/06/11

発作時脳波 - 焦点発作2

焦点発作の発作時脳波の特徴ですが、まずは、発作間欠時てんかん性発射の消失というのがあります。

これは、トロント小児病院のO1先生に教わったのですが、

発作間欠時てんかん性発射と発作活動は両立しない

ということです。

なんのこっちゃ? と思われるかも知れませんが、脳のある部位において「発作時」と「非発作時(発作間欠時)」の2つの状態は同時に起こらないということです。

ふだんは、発作間欠時のてんかん発射(spike-waves)がバンバン出ていても、発作が始まる直前には消えてしまいます。これを、トロントでは、最後の発作間欠時発射(last interictal discharge)と呼んでいました。

一見、複数の電極から発作活動(律動波形。次回に述べます)が見えていても、その前に、発作間欠時発射がどこで最初に消えたかをよく見る必要があります。どれかの電極で、より早く発作間欠時発射が消えていれば、そこが発作のスタート地点により近いのではないかという考え方になります。まず、そこが発作間欠時モードから発作モードに移り、周辺の部位がそれに引きずられて、次々に発作モードに飛び込むといった感じです。

他の例としては、複数箇所から発作間欠時発射が出ていたとしても、発作が起こっている場所でのみ発作間欠時発射が消えるというのがあります。例えば、右前と右後ろからspike-wavesが見えていても、発作が右後ろからの場合、右後ろには律動波形がみられているにもかかわらず、右前は我関せずという感じでspike-wavesを出し続けている、といった具合です。つまり、発作に関与していない部分であれば、他の場所が発作中でも発作間欠時発射が残るというわけです。もちろん、先ほどの例でも、発作活動が徐々に前に広がれば、前側の発作間欠時発射も途中から消えます。

こんなに発作時、発作間欠時と白黒はっきりつけられるのかという疑問は確かにありますが、まずは基本として、このことを頭に置いておくのはとてもよいことだと思います。

もうちょっとオタク的なことを書きますと、発作直前はspike-wavesの形に変化が現れます。自分の経験では、高周波成分の増加がみられる例があります。トロントからは、高周波成分に対して徐波成分のパワーが下がる、つまり興奮に対して抑制がうまく働かなくなるという研究結果が報告されています。なので、正確には、発作間欠時(interictal)、発作前(preictal)、発作時(ictal)と区別した方がよいのかなと思います。

|

« 発作時脳波 - 焦点発作1 | トップページ | WHOでのてんかんに関する決議 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 発作時脳波 - 焦点発作1 | トップページ | WHOでのてんかんに関する決議 »