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2015/02/03

てんかん重積状態の初期治療

昨日、ミダゾラム静注薬のことを書きましたので、関連する話題にします。

てんかん重積状態の初期治療についてですが、ミダゾラム静注薬は、あくまで医療機関についてからの初期治療薬です。

理想を言いますと、てんかん重積状態の初期治療は、家庭もしくは救急車内で行えるのが望ましいです。

てんかん発作は持続すればするほど止まりにくくなります。発作が長くなると、神経細胞上のGABA受容体(抑制性)が内在化(細胞内に入ってしまう)し、ベンゾジアゼピン系薬剤のようなGABA作動薬の効果が落ちてきます。一方、グルタミン酸受容体(興奮性)が増えてきます。つまり、抑制系は働かず、興奮系がどんどん活発になり、発作が止まらないという悪循環に陥ります。このようになってしまうと、難治性てんかん重積状態と呼ばれます。

てんかん重積状態をなるべく効果的に治療するには、抗てんかん薬を可能な限り早く、かつ十分量使うことが必要なのです。

現在、家庭で行える治療としては、ジアゼパム坐剤、抱水クロラール坐剤(注腸剤)くらいなものです。どちらも効果発現までに20-30分はかかります。

一方、海外ではジアゼパム注腸剤が発売されており、これは10分ほどで効きます。ミダゾラムの鼻スプレーもどうやらあるようです(詳細不明)。自分の経験的には、ミダゾラム点鼻(適応外の投与方法)は、5分以内に効く印象です。

日本では、家庭で使え、即効性のある治療法がないのが現状です。同様の話題を過去にも書いていました。この3年弱で、状況はあまり変わっていないと思います。

発作が早く止められれば、患者さんの入院回数が減り、患者さんの負担や医療費削減にも有効ですから、何かよい治療法が開発されるのが待たれます。

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