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2015/02/25

てんかん発射、てんかん発作、てんかん重積状態という用語

過去の記事に書きましたが、てんかん(性)発射(放電)てんかん発作という用語は、個人的には不適切であると考えています。

先日、奈良の講演会に参加したのですが、その際に講演をさえたご高名な先生が、てんかん発射には定義はない、あるのは特徴だけだという話をされていました。まさにそうだと思います。その先生によれば、定義文として過去に出されたのはあるが、「てんかん患者によくみられる尖った波形」といったような文言であり、定義とはいえない代物だということでした。

こうやってみると、脳波とは、なかなか怪しいものなのかも!? (冗談です)

てんかん発作についてですが、てんかん発作 = てんかん ではありません大脳の神経細胞が異常な興奮を起こすことにより引き起こされる一過性の神経症状がてんかん発作ですから、熱性けいれん、頭部外傷、電解質異常、脳虚血、脳炎・髄膜炎など、原因が何であってもよいのです。

てんかんは、(原則として)非誘発性のてんかん発作を繰り返す、または繰り返す可能性が高い慢性神経疾患です。それ以外は、てんかん発作があってもてんかんの診断はしません。

しかし、てんかんとてんかん発作の区別をできない方は医師にも多く、てんかん発作とてんかんを同一視してしまっています。これは、紹介状やカルテの書き方をみるとすぐに分かります。例えば、「熱性けいれんではなく、てんかん発作の可能性もあり...」といった文章です。熱性けいれんの発作は、てんかん発作です。しかし、熱性けいれんはてんかんとは異なります。

これは誰が悪いというよりも、用語の問題だと思います。

てんかん重積状態という用語があります。てんかん発作が長く持続したり、断続的に起こったりで、長時間にわたり脳の機能が回復しない状態です。てんかん発作と同様、てんかん以外でも起こります。

よく、けいれん重積状態という言葉が使われます。これは、正しい用語とは言えません。正式には、けいれん性てんかん重積状態(convulsive status epilepticus)です。てんかん発作の症状は色々あり、けいれんしないものもたくさんあります。救急の世界で、非けいれん性てんかん重積状態という言葉は最近知られてきていますが、それに対応する用語が正しく使われていないのはどうかと思います。どうしても、けいれん重積状態と言わないといけない諸事情がある場合、私はやむなく、けいれん性てんかん重積状態(以下、けいれん重積状態)といった表現を最初に使ってから使用するようにしています。

ついでに書きますと、救急の世界で呼ぶ非けいれん性てんかん重積状態と、てんかんの世界で呼ぶ非けいれん性てんかん重積状態とは、微妙に異なる印象を受けています。この辺りは、定義の差、診療の場の差としか言いようがありません。

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