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2015/01/11

先天性代謝疾患13

神経伝達物質病というグループの疾患があり、モノアミン関連GABA関連とに大きく分かれています。

GABA関連では、以前コハク酸セミアルデヒド脱水素酵素(SSADH)欠損症について書きました。今回は、もう1つのGABA分解異常症である、GABAトランスアミナーゼ欠損症について書きます。

GABAは、神経系の興奮を抑える抑制性神経伝達物質です。GABAを分解するには2段階の酵素反応があり、まず、GABAトランスアミナーゼにより、コハク酸セミアルデヒドに分解されます。次いで、SSADHによりコハク酸セミアルデヒドがコハク酸に分解され、クエン酸回路に入ることができます。

GABAトランスアミナーゼ欠損症では、GABAの分解が行えないため、体内にGABAが貯留します。極めて稀な疾患であり、同胞例1家計と、別にもう1例の報告があるのみです。ABAT遺伝子の異常で発病します。残念ながら、症例数があまりにも少なく、治療法は未確立です。

症状としては、新生児発作、傾眠、筋緊張低下、腱反射亢進、哺乳量低下、頭位拡大(成長ホルモン過分泌による)がみられます。頭位拡大を除けば、あまり特徴のない症状です。

抑制性神経伝達物質であるGABAが貯留するのに、なぜ発作が起きるのかと思われるかも知れません。GABAがずっと高いと、GABA受容体の数が減ってしまい(down regulation)、GABAが働かなくなるのです。過ぎたるは及ばざるがごとし、ということでしょうか。これは、SSADH欠損症でも同様のようです。

診断の手がかりは、体液中GABAの上昇で得られます。その他、ホモカルノシン(GABAとヒスチジンの誘導体)、β-アラニンの上昇もあるそうです。

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