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2014/12/18

てんかん発作が薬物治療で止まらないとき

てんかん発作がお薬でなかなか止まらない場合に考えるべきことは3つあります。

1. 本当にてんかんか? てんかんだとしたら、どういったタイプのてんかんか?

2. きっちりと十分量の薬を内服しているか?

3. 薬以外の治療法の可能性はないか?

国際的には、適切と思われるお薬を2つを十分量使っても発作が止まらない場合、難治てんかんの可能性を考えるようにとされています。

真の難治てんかんと言うには、てんかんの診断をまずきっちり見直し、お薬がきっちり飲めているかチェックする必要があります。

え? 診断は最初にしてもらったじゃない? と思われる方がおられると思います。しかし、てんかんは誤診が多い病気なのです。難治てんかん疑いで精査すると、色々と幅はあると思いますが、数%~15%くらいは、てんかんでなかったことが判明します。この辺りの事情は、過去の記事に書いてあります。

十分量の薬をきっちり飲めているかも大切です。てんかんの診断が正しく薬の飲み忘れがないとすれば、その薬は量が足らないか、その方のてんかんには効かない薬かのどちらかです。薬の選択は、てんかんのタイプにもよりますので、てんかんのタイプをきっちり決めたうえで、十分量の薬を使ってみる必要があります。もちろん、副作用が途中で出てしまえば、その薬はダメだということになりますが。

薬以外の治療法とは、てんかん外科と食餌療法です。てんかん外科には、脳に対しての手術と迷走神経刺激療法(VNS)があります。食事療法は、ケトン食、修正アトキンス食、低GI食というのがあります。

てんかん外科は、手術対象患者であると判定されれば、3つ目以降のお薬よりも遥かに効果があります。薬が2つ聞かなければ、3つ目の薬が効く確率は10%程度になります。4つ目以降は、5%にもなりません。一方、手術対象であれば、40-80%くらいの有効率です。発作が止まらなくても、何らかの効果が得られる確率は70-90%くらいあるでしょう。

なので、現在の流れとしては、てんかん外科は薬を使ったあげく他に打つ手がないための最後の手段ではありません。薬を2つ(もしくは3つ)使って効かなかった段階で、一度は考えておきたい治療選択肢の1つです。薬以外のより治療効果のある選択肢を早めに検討し、それが難しいと判断した場合(もしくは患者さんが希望されない場合)に、最後の手段として薬物療法を継続するのが、僕の中では正しい考え方です。

何故早めに外科を考えるかというと、発作がなかなか止まらなければ、なかなか社会に出ていくことができず、その後の人生に重大な影響を及ぼすからです。幼い小児の場合は、事態はもっと深刻ですが、これは後に別の記事で触れることにします。

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