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2014/04/19

眠らせたままで脳波をとる?

1-2か月前ですが、脳波をとった患者さんの親から文句を言われたことがあります。

その内容は、以下の通り。

今までの病院では、睡眠薬で子どもを寝かせてから脳波をとってくれた。なのに、ここの病院では、寝かせもせず、嫌がる子どもを押さえつけて脳波の電極をつけた。

嫌がる子どもを押さえつけた程度にもよるかも知れませんが、ちょっと驚きました。

驚いたのは、今までの病院が、当たり前のごとく、子どもを薬で眠らせてから脳波をとっていたことです。だいたいの場合において、このやり方は間違っています。理由として、以下のあたりが挙げられます。

1. 薬で眠らせずに脳波をとれる子どもかも知れない。薬は100%安全ではない。吐いたり、検査の後で転倒したりなどはわりと聞きます。

2. 薬で寝かせる前に、寝不足の状態で検査を試みるのが順番的には先のはず。

3. 脳波の評価には、覚醒時脳波と睡眠時脳波の両方が必要。

4. 寝入りばなに脳波異常が出ることが多い。最初から眠っていたのでは、寝入りばなの脳波が記録できない。

5. 薬で脳波異常が軽減する(てんかん発射が減少する)ことはあり、異常の見逃しにつながるかも知れない。

親御さんが、睡眠薬で眠らせて電極を装着する方法を当然と思っていたということは、最初から覚醒時記録をとろうとすら試みず、いきなり薬を使っていたということです。

こういうとり方をしている施設から患者さんがもってこられた脳波では、検査中に覚醒させもせず、睡眠時記録のみの場合がわりとあります。

ちゃんとした脳波をとる所であれば、脳波電極は原則的に覚醒状態状態で装着し、覚醒時記録から睡眠時記録という順番で行っているはずです。私の前の職場であるてんかんセンターでもそうでした。トロント小児病院もです。

それがどうしてもできない事情がある方の場合は仕方ありません。ですが、そのような方は極めて少ないです。

脳波技師(もしくは医師の中に)の中に、子どもの脳波は寝かせないととれないと考えておられる方は、(少数だと思いたいけれど)おられるのだと思います。機会あるごとに、正しい情報をお伝えしていければと思っています。

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