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2014/04/18

デジタル脳波の基本7 - フィルタ

今回は、フィルタについてです。

フィルタは、デジタル脳波に限ったものではありませんが、いくつか特有の話がありますので書くことにします。

フィルタとは、必要なものを残し、不要なものを取り除くために使います。エアコンのフィルタ(ごみを除去)、コーヒーのフィルタ(コーヒー豆のかすを除去)などですね。

デジタル脳波でのフィルタとは、注目する周波数の波だけを残し、それ以外の周波数の波を取り除くために使います。

オーディオにイコライザーというのがあります。ボーカルを強調したり、低音を強調したりなど、簡単に設定を変えられます。これもフィルタの一種です。ボーカルを強調するということは、人の声の高さより低い音、高い音を相対的に弱めているわけです。

どういった高さ(周波数)の信号を弱めるかで、フィルターにはいくつかの種類があります。

20140418_1_3

上のグラフは、フィルタの特性を示しています。横軸は周波数で、右にいくほど高くなります。縦軸は、信号がどのくらいフィルタを通り抜けるかを表しており、下に下がるほど通り抜けにくい(弱められ方が強い)ということです。つまり、透過率だと思っていただければよいです。

一番上は、ローパスフィルタと呼ばれます。低い周波数は弱められませんが、高い周波数は弱められています。境にあたる周波数をカットオフ周波数と呼びますが、上の図では、出力が入力の約0.7倍になる位置がカットオフ周波数になっています。

ハイパスフィルタは、ローパスフィルタとは逆に、低い周波数が弱められますが、高い周波数はそのままです。

バンドパスフィルタは、一定の周波数帯域を通すフィルタで、カットオフ周波数は下側と上側の2つあります。逆に、一定音周波数帯域を通さないフィルタもあり、バンドストップフィルタと呼ばれます。バンドストップフィルタの特殊なものとして、交流の周波数(50Hzまたは60Hz)のみを遮断する非常に幅の狭いフィルタもあります。

上の図では、カットオフ周波数が、0.7付近に設定されています。これは、フィルタの種類により異なります。理想的なフィルタであれば、カットオフ周波数の前後で透過率が、0と1(100%)にビシッとなりますが、現実的にはそういきません。上の図のようにある程度の傾斜があります。傾斜が鋭いほどよいかというと、色々デメリットもあり、一概に言えません。目的に合ったフィルタを使うということになります。

この傾斜というのは大切で、たとえば一番上の図のローパスフィルタで考えてみます。カットオフ周波数を100Hzとしても、101Hzや102Hzでは透過率はゼロにはなりません。赤い線がゆっくり下がっていって、例えば150Hz辺りでゼロになります。赤い線の傾斜がもっと鋭ければ、120Hz辺りでゼロになるかも知れません。大切なのは、100Hzのローパスフィルタであっても100Hz以上の波がある程度は残るということです。

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