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2014/04/16

デジタル脳波の基本6 - 基準電極

デジタル脳波では、必ず基準電極(リファレンス)という電極を決めます。

海外のある会社の脳波計では、頭の上に装着する19個の電極の他にもう1か所、電極を貼り付けます。OzやFpzをよく使っていました。

日本の某会社では、C3とC4を連結したものをリファレンスとしているようです(設定は変更できます)。

方法はいずれにせよ、リファレンスはデジタル脳波では必要です。

昔のアナログ脳波計では、例えば、Fp1-F3(Fp1という電極とF3という電極の電位差)を記録したい場合、Fp1とF3を電気回路で直接つなげて(ここには、差動増幅回路というのが関係するのですが、細かい説明は省きます)、Fp1-F3の電位差をそのまま記録していました。

今のデジタル脳波計では、各電極からの入力を、リファレンスを基準とした電位として記録しています。例えば、リファレンス電極をRefとすると、Fp1からの入力はFp1-Ref、F3からの入力はF3-Refとしてハードディスク上に記録します。

コンピュータ画面で、Fp-F3の波形を見たい場合には、Fp1-RefのデータからF3-Refのデータを引き算しますと、(Fp1-Ref)-(F3-Ref) = Fp1-F3 というように、Refがキャンセルされて見たい波形が計算できます。

このように、リファレンスを基準としてすべての電極の電位を記録することにより、後でコンピュータ計算により、好きな波形を表示できるのです。これが、デジタル脳波計でリモンタージュ(電極の結び方のパターンを色々と変えて、波形を表示しなおすこと)が行える理由です。

リファレンスはとても大切な電極ですから、外れないように、ノイズの入りにくい場所に装着する必要があります。

でも、引き算でキャンセルされるんだから外れていても、ノイズが入ってもいいんじゃない? と思ったりしませんか?

確かに、100%きれいにキャンセルされるのであれば、リファレンスが外れていてもよいです。ところが、現実の世界では、100%のキャンセルはできないのです。ここには、差動増幅回路同相信号除去比(common mode rejection ratio; CMRR)という考え方が出てきますが、これはまたの機会に。

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