« てんかんの定義 | トップページ | デジタル脳波の基本11 - デジタルフィルタの概要 »

2014/04/24

デジタル脳波の基本10 - 画面の解像度

最初の方の記事で、デジタル記録の水平・垂直解像度について書きました。水平解像度はサンプリング周波数、垂直解像度は量子化ビット数が関係するのでした。

もう1つ、大事な解像度があります。それは、画面の解像度です。

当たり前の話になってしまいますが、画面の解像度は細かければ細かい方がよいです。

今時のワイド液晶で、横が1920ピクセル(画素)のものを例にあげます。

画面に10秒分の脳波を表示するとしましょう。脳波のサンプリング周波数は、500Hzとします(1秒間に500個データを記録)。

ウインドウなどの表示に120ピクセル必要だとして、残りの1800ピクセル幅に10秒の脳波を表示すると、1秒あたり180ピクセルになります。

この画面で、脳波がどの程度再現できるのでしょうか? 横方向だけ考えますと、1秒間に500個のデータがあるのに、実際の画面には180個分しか表示スペースがないことになります。

残り320個のデータをどう処理するのでしょうか? 横方向で500個のデータを180個のスペースに押し込むわけですから、同じ時点に複数個のデータをプロットするのかも知れません。それとも、どれか1つだけにしてしまう(データを間引く)のかも知れません。他に良い方法があるのかも知れませんが、このあたりは、脳波計の会社のソフトによります。いずれにしても、正確な表示はできません。

1秒あたりの横幅が180ピクセルしかないということは、サンプリング定理と同様の考え方により、90Hzを越える波は正しく表示できません。脳波を500Hzのサンプリング周波数で記録していたとしても(理論上は250Hzまでの波を記録できる)、90Hz以上の波は全て、90Hz以下の偽物の波として表示されてしまいます(エイリアシング)。

では、120Hzの波を正確に見たい場合にはどうするのでしょうか? これには、画面のタイムスケールを変更して、脳波を横に引き延ばし(1ページ当たりの秒数を小さくし)、1秒あたりのピクセル数が240ピクセル以上になるようにすれば大丈夫です。例えば、1画面5秒表示にすれば、1800÷5 = 360ピクセルですから、問題はなくなります。

脳波計の進歩により、サンプリング周波数は10kHzくらいまで使えるようになりましたが、これに見合ってモニターもよいものを使う必要があるということになります。

|

« てんかんの定義 | トップページ | デジタル脳波の基本11 - デジタルフィルタの概要 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« てんかんの定義 | トップページ | デジタル脳波の基本11 - デジタルフィルタの概要 »