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2013/07/26

クレアチン合成障害

私の職場から、クレアチン合成障害の日本人患者発見についてのプレスリリースがなされました。詳細はここここです。

以前に、クレアチン欠乏症について書きました。クレアチンは、運動選手などが使ったりするので話題になっているサプリです。

クレアチンは、クレアチンリン酸という形でエネルギーを蓄えることができます。肉や魚に多く含まれていますが、食べるだけでは足りませんので、不足分は体の中で作られます。

これがうまく作れないと(クレアチン合成障害)、症状が現れます。これには2つのタイプがあります。また、クレアチンを作ることができても、それを使うために細胞内に取り込めないと(クレアチン輸送障害)、やはり問題が出てきます。両者(計3つ)を合わせて中枢性クレアチン欠乏症と呼んだりもします。

症状は、発達の遅れ、てんかん、自閉症、不随意運動などです。このような症状を来たして小児神経科を受診される方はたくさんおられます。ごくごく稀に、この疾患が紛れ込んでいる可能性があります。

自分がこの疾患に初めて出会ったのは、トロントにいたときでした。トロント小児病院の神経科には、クレアチン合成障害の大家がおられます。もともと疾患の存在自体は知っていたのですが、この先生の院内講義を聞き、また、EMU(脳波ラボ)で患者の脳波をとる機会がありましたので、興味を持ちました。

クレアチン合成障害には、治療方法が存在します。

なので、医師の立場としては、見逃さないように注意すべき疾患と思います。早期発見できれば、患者さんの人生が変わるかも知れませんので。実際、海外からは発症前治療を行い、無症状のままでいけているという報告がわずかながらあります。

この疾患が広く知られるようになり、少しでも早く診断できるような体制、できれば発症前診断ができる体制を作れればと思います。

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コメント

私の子どもは難治性てんかんで発作が止められず
毎日3、4回の発作があります
先生のブログを拝見し、クレアチン合成障害というものが
あるということを初めて知りました
妻と子供は血液検査でのクレアチニン数値が低値です
高い場合は腎臓の病気が考えられるが
低いということで特に問題なしと言われてきました
このクレアチン合成障害の場合、クレアチニン数値は
低くなるのでしょうか
その場合、大人と子供ですとどれくらいの数値の場合、
このクレアチン合成障害が疑われるのでしょうか
お忙しいところ申し訳ありませんが、
よろしくお願いいたします

投稿: きぼうのひかり | 2013/08/24 16:07

きぼうのひかりさん、こんにちは。

クレアチン合成障害の場合、クレアチニンは低くなります。なぜなら、クレアチニンは、クレアチンからできるからです。ただし、クレアチニンは体の筋肉量にも依存しますので、痩せている方や子供では低くなります。つまり、クレアチニンが低いからといって、クレアチン合成障害とは直ちに言い切れません。

どのくらい低いかという基準ですが、極めて稀な病気のため、このくらいと具体的な数値を申し上げることはできません。

クレアチン合成障害を含む、クレアチン代謝異常症を確実に診断できる検査は、頭部MRスペクトロスコピー(MRS)という検査ですので、主治医の先生に相談してみてください。

血中クレアチン(クレアチニンではなく)も参考になるかと思います。

投稿: あきちゃん | 2013/08/24 18:13

お忙しいにもかかわらず、ありがとうございました。
早速、主治医にMRスペクトロスコピー検査について
相談してみたいと思います。
しかし、すでにクレアチニンが低いだけなら問題ないと
言われているので、どうのように話をもっていけば
良いかの悩むところです。
妻がここ数年、クレアチニン数値が低いことと
心電図検査で経過観察になっていることが気がかりでしたが
一つでも解決できればと思います。
子供の発作を毎日見続けるということは妻にとって
とても辛く苦しいものだと思います。
7年たってもなれるものではありません。
只々、毎日苦しんでいる発作を止めてやりたい、
その一心でこれからも夫婦で頑張っていきたいと思います。
本当にありがとうございました。

投稿: きぼうのひかり | 2013/08/24 23:23

きぼうのひかりさん

岡山大学から報告されたクレアチン合成障害(GAMT欠損症)では、全員知的障害がみられます。奥様が該当する可能性は、ほぼゼロと考えられます。

子どもさんについては、主治医の先生とよく相談してください。

投稿: あきちゃん | 2013/08/24 23:31

今回はお忙しいにもかかわらず詳しくありがとうございました。

主治医の先生に子どもがクレアチン合成障害に該当するのか聞いてみましたが、
うちの子は形成異常(polymicrogyria)で
クレアチニンも疑うほど低くないとのことでした。

毎日の発作を少しでも減らしてやるには
やはり手術しかないようなので、
重度の知的障害ですが、手術を決断しました。

本当にありがとうございました。

投稿: きぼうのひかり | 2013/08/29 23:42

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