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2012/12/23

欠神発作

医療者の中でも、欠神発作はわりと誤解されている発作だと思います。

例えば、意識を失ってバタンと倒れた方がいて、欠神発作でしょうか? という感じ。これは正しくありません。

また、欠神であり欠伸ではありません。後者だと「あくび」になってしまいます...

欠神発作といっても、いくつかの細分類がありますが、ここでは一番典型的な定型欠神発作について述べます。

定型欠神発作の特徴は以下のようなものです。

1. 突然始まり終わる意識混濁、動作の停止、虚ろな目つき
2. 軽微な随伴症状(目をパチパチなど)
3. 過呼吸で誘発されやすい
4. 脳波では発作の最中に全般性3Hz棘徐波群発がみられる

脳波は、ココ(愛知県青い鳥医療福祉センターのページ)が参考になります。

いわゆるボーっとする発作の代表ですが、区別すべき発作のタイプとしては複雑部分発作というのがあります。

定型欠神発作は比較的短い発作で、分単位で続くことは稀です。顔色や呼吸の変化は乏しい。姿勢が大きく崩れることはほとんどなく、倒れたりはしません。発作後に眠ってしまうことはなく、睡眠中に起こることもありません。

欠神発作を複雑部分発作と間違えると、とんでもないことになる可能性があります。部分発作の治療によく使われるカルバマゼピンというお薬は欠神発作に効かないばかりか、発作を悪くすることがあるからです。同様の副作用がガバペンチンというお薬でも報告されています。

欠神発作の治療にはバルプロ酸がよく用いられます。効かない場合にはエトスクシミドというお薬もよく使われます。ただ、カナダのトロント小児病院神経科のボスのS教授は、「自分はエトスクシミドを一番に使う」と言われていました。理由は、「副作用がより少ないから」だそうです。たしかに、カナダではバルプロ酸の副作用の訴えを聞く率が日本より高い印象があったんですよね... まぁどちらもよいお薬です。

エトスクシミドというお薬はなかなか面白い薬でして、より玄人さんむけかなぁと思います。よく考えて使うと、魔法のように効く場合があるんですね。機会があったら書こうと思います。

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コメント

突然のメールを申し訳ありません。
エトスクシミドについてネットで勉強中にあきちゃん先生のブログに出会いました。
てんかんの項目をすべて読ませていただきとても勉強になりました。
ありがとうございました。

去年の9月に8歳の息子が突然倒れはじめ、欠神発作を伴う前頭葉部分発作と診断されました。4ヶ月間発作が止まらなかったのですがデパケンにラミクタールをあわせたとたん著効し倒れることがなくなり精神的にも改善しました。
ただ朝夕に短時間の欠神発作のみが残り薬の調整が続いています。担当の先生はよく分析してくださり信頼していますがもし文中にあったエトスクシミドの使い方について少しでも教えていただけたらと思います。今後もブログを拝見しながら先生のご活躍をお祈りしています。

投稿: 田村 | 2016/04/19 22:44

田村さん

エトスクシミドが効く発作は、原則的に欠神発作です。使い方ですが、他のお薬と同じく、漸増していきます。デパケンやラミクタールに重ねることはできますし、どれかと入れ替えることもできます。

一般的には部分発作にはエトスクシミドは無効とされています。

前頭葉てんかんは部分発作を示すてんかんの一種ですが、欠神発作とそっくりな発作が出る場合があります。この場合、エトスクシミドは効くかも知れませんが、どのくらいの確率で効くかは私は存じ上げません。

この辺りは、主治医の先生とよくご相談ください。

投稿: あきちゃん | 2016/04/20 08:22

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