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2012/12/17

脳波でのてんかん発射

脳波では色々な項目を評価しますが、その中でもよく知られているのがてんかん発射です。

てんかん発射とてんかんの診断とが必ずしも一致しないことは以前にも書きましたので、今回は書きません。

今回は、てんかん発射の見え方についてです。

てんかん発射の代表は棘波(spike)です。少し幅が広いと鋭波(sharp wave)と呼びます。棘の数が多いと多棘波(polyspikes)と呼びます。

トロントのO1先生に教わったことですが、てんかん発射には悪者とそうでないものがあるそうです。かの有名なRasmussen先生(モントリオール神経研究所の方)が、かつてred spikegreen spikeと命名されたのだとか。悪者は、赤いほうです。てんかん外科の際にも、てんかん発射が出ている場所全部を切る必要はありません。悪者だけを切る必要があるのです。

脳波を読んでいると、派手に出ていても、たちの悪くなさそうなてんかん発射によくお目にかかります。代表は、良性ローランドてんかんとも呼ばれる中心側頭部に棘波を示すてんかんです。金太郎飴のように似たような比較的単純な形の鋭波が繰り返しみられます。その下にある背景活動がよいのも特徴です。

一方、背が低くても悪そうな顔をしたてんかん発射を見ることもあります。振幅はそう高くなくても、非常に鋭く、多棘波などが目立ち、波形も一定しない。こういうのは要注意です。その部位の背景活動が異常なら要警戒ですし、特に異常な速波活動がそこに目立つなら限局性皮質異形成を疑ってMRI画像を目を皿のようにして見つめる必要があります。

トロントのO2先生もO1先生と同じお考えで、「背が低くても、鋭くて悪そうな顔をした波形に目を向けるように」と教わりました。背の高い波形ばかりに目を奪われるのは素人だということです。

今は高周波活動と呼ばれるとても速い波が「たちの悪さ」に関係しているのではと言われています。鋭い棘波、多棘波は高周波成分が多いので、こういう波に注目して脳波を見ることにより、脳の中で発作の起こる場所を少しずつ絞っていくことができると期待されます。ちょっと違った世界が見えて面白いですよ。

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コメント

先生何時もお世話になっております。
また、先生の情報は発信大変参考にさせて頂いております!有難うございます!
また、こちらの方にも秋・冬の味覚を確認に来て頂ければ幸いです!!(脳波・てんかん講義つきで・・・笑)

投稿: 通りすがりのサンチョ | 2012/12/18 13:45

お久しぶりです。

秋・冬の味覚ですか~! いいですねぇ。ぜひ遊びにいってみたいです。

投稿: あきちゃん | 2012/12/19 21:48

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