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2012/06/16

ご指導

昔、不可思議なラモトリギンの用量という記事を書きました。

何が疑問だったかというと、バルプロ酸も肝酵素誘導剤も併用していない場合、日本の最大用量が3mg/kgであり(バルプロ酸併用時と同じ)、北米の7.5mg/kgよりも少ないということです。バルプロ酸が入っていなければ血中濃度は下がりますので、北米の用量は理解できますが、日本のはわけ分かりません。

なぜ、このような設定になってしまったのかメーカーさんに問い合わせました。回答は、「薬疹のリスクを考えて、バルプロ酸併用時の少ない用量に合わせるようにとの指導が入った」とのことでした。

副作用を恐れるあまり、効かない(かも知れない)最大用量を設定してどうすんの! というのが正直な感想です。それでも、現場の医師は、発作が止まっていなくて血中濃度が不十分であれば、日本での最大用量を超えて増量するかも知れません。その場合に薬疹が出たなら、「規定以上の量を使った」ということで、全ての責任は処方した医師がかぶることになるのでしょうね。

また、ホストイン注射液という記事も書きました。

こちらでの疑問は、フォスフェニトインに対して、なぜ海外で広く使われているフェニトイン当量(PE)という単位を使わず、通常のmgという単位を用いたのかということです。トロント小児病院の病棟では、「mgを使わず、mgPEを用いること!」という貼り紙までしてありました。

こちらもメーカーさんに問い合わせたところ、「混乱するのでmgにするようにとの指導が入った」とのことでした。

PE表示なら数字の計算が不要なので、混乱はむしろ少ないはずだろうに... フェニトイン 250mgを使う患者さんなら、フォスフェニトイン 250mgPEを使えばよいのですが、日本の方式だと1.5倍してフォスフェニトイン375mgを使うよう指示しないといけません。余計な計算を1ステップ入れることにより、ヒューマンエラーは発生するんじゃないかな?

これを聞いて感じたのは、現場を知らない人がきっとご指導したんだろうな、ということです。それとも、将来的にフェニトインがなくなると予想して、フェニトイン当量という方式を不要としたのなら、すごい読みですが。

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