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2012/02/14

院内勉強会 - 迷走神経刺激療法

昨日は、小児科の院内勉強会で迷走神経刺激療法(VNS)について話をしました。

先日の診療報酬改定で、迷走神経刺激装置の埋め込み術、交換術、在宅管理についての指導、パラメータ変更手技に対して正式に診療点数がつくようになりました。

VNSの管理(指導やパラメータ変更)が行えるのは、日本てんかん学会の認める専門医かつVNS資格認定委員会の講習を受けた医師のみです。専門医の技術が診療点数として正式にみとめられたというのは、ありがたい話です。

VNSは難治てんかんにおける治療選択肢の1つですが、今後患者さんが増えてきた場合、てんかん外科医だけによるフォローには無理が出てきます。といいますか、外科医によるVNS患者さんのフォローは世界的には異例な話であり、手術に関する合併症さえなければ、VNSの管理は内科系医師が行うのが世界的標準です。日本のてんかん外科の先生たちにうかがっても、内科系医師でVNS患者さんのフォローをしてくれる方が増えてくることを願っておられます。

僕たち内科系のてんかん専門医が考えておきたいことは以下のとおり。

1. 内科的にできること(VNSのパラメータ調整等)は自分たちでする

2. もちろん、外科とのコミュニケーションはとても大切

3. 自分の施設でVNS植え込みをやっていなくても、救急で患者さんが飛び込んでくる可能性はあり(旅先で調子が悪くなった等)、対処を求められる可能性がある

4. 自分の患者さんに他施設でVNS植え込みを行ってもらった場合、フォローに自分も必然的にかかわることになる(特に植え込みを行った施設が遠方の場合)

5. VNS患者さんが来る可能性がそれなりに高い病院であれば、プログラム用のワンドを購入しておく必要がある

6. VNS患者さんが来る可能性がそれなりに高い病院であれば、患者さんへの頭部MRIを行う場合の撮影条件を放射線科とあらかじめよく打ち合わせておく

7. なので、人事とは思わず、VNSの講習会を受けて勉強しておく

特に3番目は要注意で、資格をとって対処法を知っておかないと、途方にくれることになります。例えば、救急外来から問い合わせがあっても答えることができず、どこか外部の施設の資格を有する医師に問い合わせる必要が出てきます。また、VNS装置が誤動作していないことは、プログラム用のワンドを使って診断プログラムを走らせない限り確認できません。VNSが入っていても頭部MRIは撮れますが(いくつかの注意点がある)、MRI機器の撮影条件の適切な設定はもちろんのこと、MRIを撮る前提としてVNSを停止させる必要があります。これもワンドがなければ不可能です。

VNSの管理に関する点数は通常のてんかん指導料よりも大きくなっていますので、自分の施設でVNS埋め込みを行っていなかったとしても、外来でフォローするVNS患者さんの数がそこそこあるようであれば、病院を説得してワンドを買ってもらう価値はあると思います。

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