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2012/01/31

先天性代謝疾患5

ブドウ糖の輸送障害による疾患、グルコーストランスポーター1(GLUT1)欠損症というのがあります。

脳はエネルギー消費が体で一番多い臓器です。主なエネルギー源はブドウ糖ですが、これを脳内にうまく輸送できないために、エネルギー不足による症状が現れます。

GLUT1欠損症の症状としては、発達の遅れ、てんかん、不随意運動、運動失調、筋緊張低下等があります。てんかん発症は乳児期前半が主体ですが、年長発症もあるようです。脳波異常が食前に強く、食後に改善するのも特徴です。症状のバリエーションにはかなりの拡がりがあり、疾患概念としてどんどん拡大してきています。

診断の第一歩は、髄液中ブドウ糖が血中ブドウ糖に比べて異常に低いことを示すことです。4-6時間の絶食後、まず採血を行い、それから髄液を採取します。採血が先なのは、髄液採取に伴うストレスにより血糖値が上昇するからです。確定診断のためには、遺伝子診断や赤血球によるブドウ糖取り込み試験を行います。

治療法ですが、ケトン食が有効です。ケトン食は、高脂肪低炭水化物の食事で、体内で脂肪が分解されることにより、ケトン体が生成されます。難治なてんかんに試される食餌療法ですが、GLUT1欠損症の場合、ブドウ糖の代わりのエネルギー源としてケトン体を脳に供給することにより、症状の改善を狙うことができます。ケトン食は難治てんかんの治療の選択肢の1つと考えられていますが、GLUT1欠損症の場合はケトン食に替わる治療法は今のところありません

早期に治療を開始するには、早期発見が大切です。髄液検査前には血糖をいつも測るようにしましょう。もちろん、検査前の絶食を忘れずに。

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2012/01/30

先天性代謝疾患4

クレアチン欠乏症について書きます。

クレアチンという物質は、エネルギー代謝に重要な物質です。体内での化学反応のエネルギー源としてアデノシン三リン酸(ATP)がありますが、これが消費されるとアデノシン二リン酸(ADP)に変わります。クレアチンはクレアチンリン酸の形でエネルギー貯蔵所として働き、クレアチンキナーゼという酵素の作用でADPがATPに戻り、再びエネルギーを使うことができるという流れになっています。特にエネルギー消費量の多い脳や筋肉では大切です。

クレアチン欠乏症は、クレアチンの合成または脳内への輸送に障害があるために起こり、3種類に分かれます。

症状としては、知的発達の遅れ、言語障害、自閉、てんかん、筋緊張低下、不随意運動等があります。てんかんの発症はそんなに早くなく、乳児期後半以降のようです。また、種々の発作型が報告されています。なかなか特異的な症状がないため、見つけるための検査を行わないと診断にたどり着くのは難しいようです。

診断は尿中の特定の物質の測定、酵素活性測定、遺伝子診断等の方法がありますが、最初に行っておくべき検査は、MRSだと思います。MRSは、MRスペクトロスコピーと呼ばれる検査で、MRI機器を用いて脳内の代謝産物の量を測るものです。プロトンMRSという検査では、正常人ではクレアチンの大きなピークが現れますが、クレアチン欠乏症の方ではクレアチンのピークが欠損しています

クレアチン欠乏症で酵素欠損の場合、クレアチン大量補充療法等で症状の改善が見込めるそうです。一方、クレアチン輸送障害の場合は、治療が効きにくいようです。

トロント小児病院には、この疾患を報告した先生がおられることもあり、数人患者さんがおられました。

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2012/01/29

伊勢参り (Visiting Ise shrine)

今年はまだ初詣をしていなかったので、伊勢参りに行ってきました。

伊勢の神宮といえば、天照大神(アマテラスオオミカミ)を祀る神社です。一生に一度は伊勢参りと昔の人たちが旅していったわけですね。

外宮(げくう)内宮(ないくう)があって、この順番で参拝する慣わしなのだとか。

名古屋まで新幹線で出て、近鉄で伊勢市まで行き、そこから徒歩で外宮まで行けます。その前に、伊勢うどんを楽しみました! 太くてやわらかく、つゆは濃いめで鰹だしが利いている。讃岐うどんとはだいぶ違います。さて、外宮ですが、でっかい! なんか普通の神社と雰囲気が違います。少し歩くと、正宮まで行けますので、そこで参拝します。

気づいたのは、鳥居が全部木でできていること。そして、建物が思ったよりも簡素に見え、とても味があることです。神様を祀る建物は20年毎に建て替えて移動するのだそうで、次は来年なのだそうです。大行事ですね。

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外宮の後は内宮ですが、直通バスがあります。天照大神の御神体は内宮に祀られていますので、ここからが本番(?)です。

内宮に着きますと、人が多い! とても賑わっています。そして、でかさが半端じゃない。外宮とは段違いです。入り口から橋をわたり、正宮までかなり歩きます。最後の石段を登って再度鳥居をくぐり、白い紙越しに参拝します。横から奥の方が見えるのですが、ずっと奥のほうに屋根に金の装飾がなされた建物があります。あそこに御神体が祀られているのでしょう、きっと。

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伊勢参りが済んだ後は、近くのみやげ物エリアを回ってみます。赤福の本店があり、行列ができていました。赤福ぜんざいもあるそうな。なんか興味深い。

その後は、二見までバスで行き、夫婦岩(めおといわ)を見物してきました。そして、近くの旅館に宿泊です。温泉に入ってのんびり。

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翌日は、大王埼灯台まで行きました。パールロードと呼ばれるクネクネした道をずっと行くのですが、ちょっと車酔いしそうになります。

この灯台の目玉は中に入って上れることです。らせん階段が長くって目が回りそうになります。上に上がると外に出られますが、風がものすごくって、とても寒いです。長時間は無理、です。隣には博物館もあり、色々と日本の灯台の勉強をしました。ちょっとマニアに近づいたかも?

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その後は、帰りに海鮮丼をいただきました。鳥羽にある黒潮というお店に行きましたが、めちゃくちゃ人が多い! 注文して食べられるまで、1時間半以上かかりました。おまけに寒いんです。ふつうのお店とは違って、生簀をたくさん置いた倉庫みたいな建物に食事用のテーブルが置いてあるので、暖房は全然きいていません。まぁ風よけになるだけマシですが。ブルブル震えながら待っていました。寒かったのですが、海鮮丼自体はとてもおいしかったです。もう少し暖かい時期だったらベターですね。

こんな感じで、無事に初詣を終わらせました。今年は後厄なので、まだまだ気をつけないといけません。

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2012/01/27

ThinkPadヒンジ修理

先日破損した、ThinkPadのヒンジ(液晶パネルの蝶番の部分)の交換をしました。

ThinkPadには保守マニュアルがあるのですが、ヒンジの交換はとても手間がかかりました。ヒンジの根っこを本体から取り外すのにパームレストとキーボードを外し、液晶パネルのコネクタ類を取り外す必要があるからです。そして、ヒンジを液晶パネル自体から取り出すには、パネル自体の分解も必要でした。

全部で2時間くらいかかりました...

交換してみると、パネルの安定感が全く違います。最近、パネルが前後にグラグラする感じがあったのですが、全くなくなりました。あのグラグラでヒンジに余分な負担がかかっていたのかも知れません。

とりあえず、一安心です!

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2012/01/26

先天性代謝疾患3

ビオチニダーゼ欠損症という疾患があります。日本では、患者数が50人以下という稀な疾患です(難病情報センターより)。

ビオチンという一種のビタミン(ビタミンHとも呼ばれる)があります。これは、体内の種々のカルボキシラーゼの補酵素として働き、炭酸脱水素反応を触媒します(USMLEでよく問われる知識です)。

体内で消費されたビオチンは、ビオチニダーゼによって回収されますが、これが欠損しているとビオチンの再利用が阻害されて欠乏症状が現れます。

有名な症状としては、湿疹や脱毛などの皮膚症状がありますが、神経症状呼吸症状も現れたりします。神経症状としては、乳児期早期発症のてんかんの他、筋緊張低下(体がやわらかい)、発達の遅れ、聴力低下等があります。また、高乳酸血症、高アンモニア血症、有機酸尿もみられたりします。

てんかん発作としては、強直間代けいれん、ミオクロニー、スパズム(点頭てんかんの発作みたいなもの)があるそうです。ウェスト症候群、大田原症候群の報告もあります。

診断方法は、ビオチニダーゼ活性の測定です。

治療ですが、ビオチン大量内服を行います。再利用できないなら十分量補充すればよい、という考え方だと思います。日本のビオチンの錠剤、粉末剤は含有量が微量なため、それなりの量を飲まなければなりません。しかし、ビオチニダーゼ欠損症であれば、劇的に効きます。

実際の現場では、ビオチニダーゼ活性の測定は簡単にはできませんので(トロントでは簡単にオーダーできました...)、疑わしき患者さんには、まずビオチン大量内服のトライアルを1週間程度行い効果をみることから始めてみたらと思っています。注意すべきポイントは、皮膚症状や代謝異常を示唆する所見(高乳酸血症等)を欠く場合や、これらが神経症状よりも後に出てくる場合があるということです。なので、皮膚症状がないから違う、などとは一概に言えません。

大切なことは、治療可能な疾患を見落とさないことだと思います。ビオチン大量内服のトライアルを1週間程度行ったところで、体にたいした害はありません。しかし、著効すれば、その方の一生が変わります。

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2012/01/22

先天性代謝疾患2

フォリン酸反応性発作というのがあります。

これは、前回書いたピリドキシン依存性発作と同様、主に新生児期に発症します。日本での報告例があるかと思いググッてみましたが、とりあえずは見つけられませんでした。

特徴は、フォリン酸の内服で発作が止まるということです。通常の抗てんかん薬は効きません。フォリン酸は葉酸の代謝中間体の1つで、抗悪性腫瘍薬・抗リウマチ薬であるメトトレキセートの副作用軽減で使われています。髄液内の代謝産物分析で特殊なピークが出ると言われていますが、日本でこの検査ができるかどうかはよく知りません。

このフォリン酸反応性発作ですが、原因がずっと分かっていませんでした。また、不思議なことに、ピリドキシンに反応した赤ちゃんで何故か発作が再発し、後でフォリン酸が効いたという事例が報告されていました。そして、2009年に、このフォリン酸反応性発作がピリドキシン依存性発作と同じ遺伝子(ALDH7A1)の異常で起こるという報告が成されました(Ann Neurol2009;65:550-556)。

というわけで、原因不明の新生児発症の発作では、前回書いたピリドキサールとフォリン酸の両者の併用を推奨するという意見が出ています。

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2012/01/21

20年

やりました! 全日本卓球で愛ちゃん優勝です

準決勝から見ていましたが、準決勝の平野選手との試合も、決勝の石川選手(昨年全日本優勝)との試合も、すばらしい攻めを見せてくれました。

サーブからの鋭いバックハンド3球目、ライジングで攻める速いラリー、そして2球目攻撃。迷いなく攻めに徹した卓球だったと思います。なんども「うわー」「すげー」と声を上げながら見てました。世界選手権、ロンドン五輪へのよいはずみになりそうです。

愛ちゃんは、20年もの間、日本での卓球の人気上昇に大きな貢献をしてくれました。国外で勝つのに全日本で勝てないと言われる場合もありましたが、20周年でとうとう悲願の優勝です。「この日を待ってたよ~!」という人は少なくないと思います。僕もそうです。

明日は男子シングルス決勝で、水谷選手が前人未到の6連覇に挑戦です。明日もテレビの前から動けません!

というわけで、僕も練習がんばろうっと。

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先天性代謝疾患1

てんかんの原因はたくさんあります。

小さなお子さんで、生まれた時に大きな事故がなかったにもかかわらず、てんかんを発症し発達に遅れのある方を診ることは少なくありません。

こういった場合、まずはMRIをとって原因となる病変がないかどうかよく探します。しかし、MRIにはっきりした脳の一部の異常がなく、全体的に脳が縮んでいたり(萎縮)、正常であったりする方はわりと多いです。脳波をとってみると、脳のあちこちから発作が起こっていたり、てんかんの波が出ていたりします。こういう場合、遺伝子異常先天性代謝異常を疑います。

特に、治療方法のある先天性代謝異常はよく押さえておかなければなりません。完全治癒とまではいかなくても、症状の軽減にとても役立ちますから。なかなか出会う機会はないですけれど、僕も上手にスクリーニングできるよう、勉強を続けています。

今回は、ビタミンB6についてです。

新生児発症の発作で、ビタミンB6に反応するケースがあります。新生児医療の本に書いてありますが、低血糖等や電解質異常がはっきりしない場合、ビタミンB6の1つであるピリドキシンを注射してみる。すると発作がピタリと止まる。ピリドキシン依存性発作と言われます。厳密に診断するには、ピリドキシン大量を使い他の抗てんかん薬を止めても発作が再発せず、ピリドキシンを中止すると発作が再発し、ピリドキシン再開で発作が再び止まる、というのを従来は行っていました。しかし、現在は原因遺伝子(ALDH7A1)が分かっていますので、ここまでする必要はありません。

一般に新生児期発症ですが、もっと年長になってからの発症も報告されています。こういうのは見つけるのがとても難しいです。

なお、日本では点頭てんかんにもビタミンB6(ピリドキサール燐酸)大量療法を行いますが、これで発作が止まるケースは、ビタミンB6反応性であり依存性とは異なります。

ビタミンB6依存性の疾患はもう1つあります。ピリドキサール依存性発作と呼ばれます。ピリドキサールは活性型ビタミンB6で、ピリドキシンが体内でピリドキサールに変換されて働くのですが、この変換酵素に異常があると発作を起こします。ピリドキシン依存性発作との違いは、ピリドキシンが無効でピリドキサールが有効なことです。これも原因遺伝子(PNPO)が分かっています。

治療現場では、両者に効くピリドキサールをまず試し、もし著明な効果を見た場合はこの2つの疾患を考えて精査する、という流れになります。

トロント小児病院では、神経伝達物質の検査(ピリドキサールリン酸濃度)を後で提出できるよう、治療開始前に髄液を採取、保存していました。

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2012/01/19

てんかん外科学会

てんかん外科学会の初日でした。色々と刺激になりました。

興味深かったのが、日本のてんかん患者さんの数がめちゃくちゃ過小評価されていることです。わずか20数万人です。疫学的には、てんかんの有病率は0.5-1%程度ですので、最低でも60万人はおられるはず。これは、患者数の調査方法に問題があるわけです(てんかんが主病名の方しか数えていない)。また、てんかん外科の手術件数が欧米や韓国に比べて半分以下だということです。つまり、外科の候補患者がうまくピックアップできていないということです。

僕はトロントでてんかん外科のトレーニングを受けたので、てんかん外科学会の先生方の言いたいことはよく分かるのですが、小児神経科医等の内科系医師がどれくらい手術適応を考えるかが非常に大切です。こういうてんかん外科医のメッセージを小児神経学会等の内科系学会でしっかり伝えていく必要があると思います。

てんかん外科で人生が変わる人がいます。こういう方を見つけ出すには、自分たちに重い責任がかかっている。これを改めて自覚させられました。

しかしまぁ、外科系の学会は面白いです。僕も運動部(卓球部)でしたから、体育会系のノリは大好き。

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2012/01/18

明日から学会

明日からてんかん外科学会に行ってきます。

てんかん外科とは、発作の焦点となる脳部位の切除や発作波の拡大経路の遮断を外科的に行うことにより、発作の抑制や軽減を図る治療です。侵襲がありますので、薬物治療で発作が抑制されない難治てんかんの患者さんに対して行われます。

難治てんかんだからといって必ず手術できるわけではありません。手術できるか否かをきっちり評価する必要があります。

参加者は脳神経外科の先生方が多いのですが、術前評価にかかわる内科系医師(小児神経科、神経内科、精神科等)で参加される方もおられます。僕もその1人です。

西欧諸国では、てんかんの中核病院(てんかんセンターを名乗る病院)には、必ずといってよいほど、てんかん外科のプログラムがあります。こういう施設でてんかん専門の研修を受ければ、てんかんの内科的治療以外に外科のための評価方法も勉強できます。僕もトロントで4年間、これを勉強しました。日本で、内科系医師がこういう訓練を受けられる施設はほとんどないと思います。

日本では脳神経外科の先生がされる仕事量が多いのですが、西欧諸国では内科系医師が切除範囲を決めて脳神経外科医が手術をするというのがふつうです。そもそも、外科につなげるためには、てんかん外科のよい候補になる患者を選び出す目が内科系医師に必要です。そういった意味で、どういった患者さんが手術できるのかを内科系医師はいつも考えながら診療する必要があると思います。

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2012/01/16

ThinkPadヒンジ破損 (My Thinkpad's hinge got broken)

20120116

5年前から愛用しているThinkPad T60ですが、液晶パネル左下のヒンジがお亡くなりになりました。

突然の異音とともに、液晶パネルの枠(LCD前面ベゼル)の左下が前方に突出してしまい、隙間が空いてしまいました。閉じる際に多少ひっかかることがあるので、気をつけないとこの部分が割れてしまいそうです。

どうなっているのかと、この枠を外してみましたが、ヒンジの回転する軸を受ける金属部品が折れてました。金属疲労なのか? そんなに負担をかけてたのかなぁ?

修理にはヒンジ交換が必要です。保守マニュアルを見る限り、パームレスト、キーボード、その他もろもろを外さないと、ヒンジを取り外すことはできないようです。以前にCPUファンを交換した時くらいか、もう少し余分な手間が必要みたいです。

週明けには、日本IBM部品センターに電話して、ヒンジ部品を取り寄せるつもりです。

自分で分解修理できるのが、ThinkPadのよいところですね。

しかし、このヒンジの状況が自分の左膝のことのように思えてならない。運動すると痛くなるんですよね。キネジオテープ貼っていますが、一番の治療は減量、次は筋力強化です...

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2012/01/15

軽四廃止?

日本の「軽」規格廃止を…TPPで米自動車3社

米自動車大手3社(ビッグスリー)で組織する米自動車政策会議(AAPC)は、日本の自動車市場の閉鎖性を理由に「現時点では反対」と表明し、参入障壁となっている軽自動車規格については、「廃止すべきだ」と主張した。(読売新聞)

こんなニュースが出ています。

TPPでアメリカが何をしようとしているかが、少しずつ見えてきているような気がします。

軽四、売れまくってます。街を走っていると、本当に多いです。コンパクトで運転しやすいし、維持費安いし、壊れにくいし。日本の技術の高さだと思います。アメ車、売れんでしょう。一部の好きな人以外には不要でしょうから。足として使うなら、軽四は最高です。

そこで、アメリカ企業から規格廃止の主張です。技術的には勝てませんから、こういう手でくるわけです。日本がTPPに正式参入したなら、もっと強力に干渉してくるのでしょう。自社の車が売れないという理由で、日本政府を相手に提訴できますし。裁定を下す組織のトップが確かアメリカ人でしたっけ。

僕が心配しているのは、仕事柄、やはり医療保険です。同じようなことがきっと起こるでしょう。アメリカの民間医療保険会社が、日本の国民皆保険制度は廃止すべきだ、なんて言ってきても全くおかしくありません。医者としても心配ですし、患者になりえる立場としても心配です。

医者としてですが、患者さんの保険の種類に応じて医療の質を変えることがアメリカではあるようです。保険でカバーされないのでしたくてもできない検査、治療がある。フラストレーションたまりそうです。また、そういう検査を行えずに疾患を見逃したとしても、日本の裁判所は許してくれませんから、なおさら困ります。

患者としては、受けられる医療の質はもちろんのこと、保険料の問題が大きいですね。また、保険でカバーされない検査や治療は、混合診療解禁で自己負担になってしまうかも知れません。そうでないと医療機関がつぶれますから。お金がないとよい医療が受けられない時代は近いのかも知れません。

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2012/01/13

てんかんはありふれた病気 (Epilepsy is a common disorder)

てんかんは、そんなに稀な病気ではありません。

てんかんの有病率は0.5-1%と考えられています。つまり、100-200人に1人がてんかん患者さんということになります。日本人口が約1.3億人ですから、65万-130万人が患者さんということになります。

実際には、周囲にてんかん患者さんがいると思っておられる方はかなり少ないと思います。理由としては、大多数のてんかん患者さんは、発作中以外は無症状だからです。もう1つ大事な理由は、てんかんという病気に対する偏見です。つまり、自分はてんかんだと周囲に告げられないという事情があります。

見えないもの、よく理解できないものについては、なかなか理解を得られにくい。たくさんの患者さんがこれに苦しんでいます。なので、てんかんであることを隠しておられる方も多い。

Out of the shadowsという言葉を、カナダで聞きました。確か、トロントのてんかん患者の会Epilepsy Torontoだったように思います。日陰から日のあたる場所に、という意味です。

てんかんは、わりとありふれた病気です。患者さんがよい社会生活を送るためには、社会の理解が必要です。脚が不自由で松葉杖をついている人に重いものを運べと言う人はいないでしょう。てんかん患者さんも、周囲の理解が得られれば、活躍できるような場がきっと見つかるはずです。

そういった社会にするのに何かよい方法はないものでしょうか。

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2012/01/12

抗てんかん薬の減量・中止について (Reduction/discontinuation of antiepileptic drugs)

抗てんかん薬を減量・中止するには、注意が必要です。

まず、必ず医師の指示に従って減量・中止をしていただきたいです。言い換えれば、自己判断での断薬は非常に危険です。

減量・中止したい理由には、発作が長期に止まっている、副作用が強くて困る等、色々な理由があると思います。しかし、まずは担当医に理由を告げ、よく相談してください。

離脱症状(withdrawal)というのがあります。お薬を急に止めることにより、発作が増える、重積状態になる、今までとは違うタイプの発作が起こる、などが起こりえます。重積状態とは、長い発作(30分以上)、または発作が頻発して30分以上意識が回復しない状態です。この場合は緊急処置が必要です。

発作が抑制されていても、患者さんが自己判断で早期に断薬してしまい、発作が再発する場合があります。最悪の場合、再発後にお薬を元の量に戻しても発作が止まらない場合もあります。

適切な抗てんかん薬により約7割の患者さんは発作が止まります。副作用がなければ、お薬の減量・中止を考えるのは、発作が止まってから最低でも2年後が一般的です(施設によっては3年等もあります)。その時点での脳波をチェックしてから、お薬をどうするかを患者さんとよく相談することにしています。

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2012/01/11

絶品とんかつ

20120111

今日は、すばらしくうまいとんかつを食べさせてくれるお店、かつ藤に行ってきました。

このお店ですが、数か月前に同僚の先生に勧められて行ってみたところ、あまりものおいしさにビックリ! ということで、リピートです。

今回は、大奮発して特ロースを注文! 写真のとんかつ以外にご飯、赤だし(しじみ入り)、お漬物、キムチ、ソースがついてきます。

この特ロース、厚さが1cmはあります。サイズは、僕の手と同じか少し大きいくらい。からしとソースをチョコッとつけて、一口かじります。衣はサクッと軽く、赤身は柔らかくジューシーで、ジワーッと旨みを感じます。そして、端っこの脂です! 脂身といった噛むようなものじゃありません。口の中でとろけていくんです。ほんのり甘みすら感じます。コッテリ感はなし。これは凄いです。

カツは大きいので、一口噛んでは、ご飯の上に載せておき、ご飯やキャベツをいただきます。ソースがご飯についたのが、またうまい。キャベツもほんのり甘い。苦味なんか全くありません。ご飯も炊きたてでした。

途中で休憩がてら、赤だしをいただきます。しじみのいい味が出ています。しじみ、しみじみうまい、なんちゃって。キムチは、マイルドな辛さでよいアクセントです。お漬物、ほんのりとよい香りがします。お口の中がサッパリし、再びカツに戻ることができます。

前回はロースを注文し、そのお味にも驚いたのですが、今回はその上をいってました。食べ始めから食べ終わりまで脳内麻薬が出まくりでした。傍から見ると、どこかにイッチャッタような目つきで、ひたすらとんかつにかぶりついている二人組に見えたことでしょう(いや、僕だけかも知れませんが)。コッテリ感はありません。とても食べやすいです。

このお店のおじさんとおばさん、とてもいい方なんです。それが、このお店のとんかつに出ているような。材料にもかなりこだわっていると聞いています。

というわけで、今回もとても満足させていただいました。また、リピートしたいです。★★★★★

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2012/01/10

岡山ラーメン

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3連休の最終日、静岡に戻りました。

その前に、岡山ラーメンの老舗の冨士屋に行ってきました。昭和25年創業!

学生時代には、よく通ったもんです。ここのチャーシューが好きで、社会人になってからはブロックで買って帰ったこともあります。このチャーシューにビールなんて最高です。

なんと、お店がリニューアルされていました。リニューアル後ほぼ2年とか。中に入ると、お座敷が減ってテーブルが増えていました。一番奥のおうちの食堂みたいなお部屋は健在でした!

正午に行ったのですが、もう7-8人並んでました。人気ありますね~。お店の外まで、おいしい醤油の香りがプンプンしています。

ラーメンは、相変わらずの、ちょっとあっさりめだけどコクのある醤油豚骨スープにストレートの細麺です。ここのスープ、最初の一口は薄めかと思うんですが、その後にジワーッとコクがのぼって来るのが好きです。チャーシューは肩ロース(?)とバラの両方が入っています。味玉をトッピングでつけましたが、これもよく味がしみています。

岡山のラーメン店には、色々な系図があるのですが(本にもなっている)、冨士屋から派生したお店は岡山に結構あります。

静岡では、鶏がら、豚骨、お魚の混合スープ、背脂や焦がしねぎ、色々なトッピングのあるラーメン店に行く機会が多いのですが、岡山の正統派中華そばもなかなかよいものがあります。

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2012/01/09

帰省中

この3連休は実家に帰省しています。大晦日に当直でしたので、年末年始は静岡にいましたから(西伊豆に遊びに行っただろ、という突っ込みはなし)。

半年ぶりの岡山でしたが、驚いたことは2両連結の路面電車が走っていること。ん~、いつ頃から走っているんだろう? 4年前は走っていなかったんだけど...

岡山駅周り、特に西口側は、昔と比べてよく開けてきたなぁと思います。

のんびりしたかったのですが、色々とすることがあり、あっという間に休みが過ぎてしまいました。

サワラの焼き霜造りをいただく機会があったのですが、とてもうまかった。サワラ(鰆)は、魚に春と書きますが、本当は冬がおいしいといいます(寒鰆)。妻も絶賛してました。やっぱ、岡山はサワラなんじゃぁ~! ぼっけぇうめぇんじゃぁ~!

今日、静岡に戻ります。

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2012/01/08

脳波検査における睡眠導入剤 (Sedatives for EEG)

てんかんの診断に役立つ脳波検査ですが、できるだけ覚醒時~入眠時~睡眠時~刺激して覚醒、といった順番で記録できるとよいです。

睡眠時記録が必要なのは、睡眠時に脳波異常が増強されやすいためで、睡眠時にのみ異常の見られる方もおられます。入眠時の記録は特に大切です。

ただ、どうしても眠れない方はおられます。そういう際に睡眠導入剤を使う場合があり、トリクロリール、抱水クロラール、ラボナ等が使われます。僕もカナダに行く前は、眠れなかったらトリクロリールという感じで、ほぼ機械的にトリクロリールを使っていました。ただ、カナダに勉強に行ってから、これに少し疑問を持ち始めています。

カナダでは、鎮静に抱水クロラール内服、またはラボナール筋注が使われていました。睡眠導入ではなく、麻酔に近い扱いでした。抱水クロラールの使用量は日本のほぼ倍量です。必ず鎮静専門看護師がつき、心拍数、酸素飽和度をモニターしながら、麻酔記録をつけていました。麻酔に準じた扱いですので、鎮静の6-8時間前から固形物摂取は禁止、2時間前からは水分も一切禁止です。これを守らないと、検査はキャンセルされてしまいました。

カナダで睡眠時脳波をとりたい場合、まずは通常の脳波をとります。これで眠れなくても、この検査は約30分で終了です。睡眠時記録が欲しければ、次は断眠脳波で、前夜の睡眠時間を2-3時間にしてきてもらいます(例えば午前2時に起床、年齢により調整)。きっちり断眠すれば、かなりの確率で患者さんは検査中に眠ります。さらに断眠により脳波異常が出やすくなりますので、異常をより鋭敏に見つけられるようになります。断眠でも睡眠時記録が得られなかった場合、次回は鎮静をかけるかあきらめるかになります。

国も医療システムも違いますから、カナダのやり方がすべて正しいとは言いません。日本で使っているお薬の量はカナダに比べて少ないので、カナダみたいに徹底的にしなくてもと考えられる方も多いと思います。一方、お薬を使う以上、きっちりと安全対策をして寝かせるべきという方もおられると思います。

どちらが正しいか答えるのは難しいわけですが、こういう異なるやり方を見てまず思ったのは、患者さんに睡眠不足で検査に来てもらうのを一度も試しもせず、いきなり睡眠導入剤を使うべきなのか、ということです。これは、自分の過去のやり方に対する疑問でもあります。

お薬は、よく注意して使えばそんなに危険ではないと思いますが、100%安全ではありません。眠気やふらつきが残る場合は時に目にします。また、脳波に影響を及ぼす可能性もあり、軽微な異常がお薬で隠され脳波異常の過小評価や見逃しが起こる可能性は否定できません。

一方、断眠する場合、特に小児患者さんの場合は、患者さん本人のみならず保護者の方にも負担になります(付き合わないといけないので)。睡眠不足の保護者が車を運転はできませんし、別の方が運転して来られても道中で子供が眠ってしまいでもしたら、努力が水の泡です。

お薬を使わずにすめばそれに越したことはないのですが、断眠する労力は大きいものがあります。まずは睡眠時間を2-3時間程度削って来ていただくくらいが、外来での現実的な選択肢なのかも知れませんが、まだ自分の中できっちりした答えは出ていません。

ちなみに、検査室で音楽を聞かせたり、検査の最初に過呼吸賦活を行ったりすれば、睡眠時記録が得られる確率が高くなるという論文が出ているようです。かつて、トロントのG先生が、モーツァルトがよいと言っていたのを思い出しました。

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2012/01/07

血中濃度続き (Blood level, continued)

バルプロ酸(VPA)フェニトイン(PHT)は、昔からある抗てんかん薬です。

この2剤を併用する際、ちょっと注意すべきことがあります。

VPAもPHTも、血液中では、大部分(約90%)が蛋白に結合しています。どういうことかというと、蛋白に結合したVPAやPHTは、蛋白の分子が大きいために脳に入っていきません。実際に脳に入るのは残りの約10%で、これを遊離VPA遊離PHTと呼びます。

VPAとPHTを併用すると、どちらも蛋白に結合しようとするので、競合がおきます。そのため、十分に蛋白に結合できなくなり、遊離VPA、遊離PHTが増えます。遊離VPAがどのくらい増えるかはよく知りませんが、遊離PHTは倍くらいに上がったりします。

例を示しますと、PHTの有効血中濃度は15-20µg/mLですが、その場合、遊離PHTは10%で1.5-2µg/mLです。ところが、VPAを併用していてPHTの血中濃度が20µg/mLの場合、遊離PHTが20%になっていたとすれば、4µg/mLになります。これは、VPAを併用していない時のPHT濃度に換算すると40µg/mLに相当しますので、中毒域になります。つまり、VPAとPHTを併用する場合、PHT濃度がそんなに高くなくても、遊離PHTが高いために中毒症状が出る場合があるというわけです。

そのほかにも、PHTは用量と血中濃度が直線関係を示さないということが有名で、ちょっと注意を要します。15µg/mLを超えたくらいからは、少し増やすだけで血中濃度が急に上がって副作用が出る場合があるので、きめ細かい調節が必要です。

VPAですが、血中濃度が上がれば上がるほど、蛋白結合率が低くなることが分かっています。大量療法(>120µg/mL)になってくると、VPAは血中濃度が上がりにくくなるのですが、遊離VPAの割合は増えてくるので(130µg/mLで20%近く)、遊離VPAは案外上がっていることがあります。

また、VPAやPHTのように大部分が蛋白に結合する薬剤は、血中アルブミン濃度の影響も受けます。アルブミンが低い患者さんの場合、見かけ上の血中濃度が低くなりますので、これにも注意です。

遊離VPA、遊離PHTのいずれも測定することはできますので、特に臨床的に中毒が疑われる場合等、VPAやPHTの血中濃度が異様に高くなくても測ってみる価値はあると思います。

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2012/01/06

てんかん戦隊ゴセンセイジャー

20120106

若い先生方何人かから、「俺たちの晴れ舞台の写真をさっさと出せぃ!」とリクエストがありましたので、今回出すことにします。

昨年の病棟のクリスマス会で、なんとヒーローたちがやってきてくれました。その名も、てんかん戦隊ゴセンセイジャー!

5人で格好いいポーズをとってくれるかと期待していたのですが、そこまでのテンションはなかったですねぇ。

まぁ、病棟の子供たちは大喜びでしたが(だったと思う)。

ちなみに、僕はこの中には入っていません。サンタさんしましたから(きっと体型で選ばれたのでしょう)。

こういうのがあるから、小児病棟大好き(≧∇≦)

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2012/01/05

血中濃度測定 (Blood level measurement)

治療薬物モニタリング(therapeutic drug monitoring; TDM)というのがあります。治療域(治療に適切な用量の幅)が狭く副作用の出やすいお薬は、血液中に溶けているお薬の濃度(血中濃度)をきっちり管理する必要があります。抗てんかん薬もTDMの対象となるお薬です。

抗てんかん薬の血中濃度を測るのはどういう場合でしょうか?

以下のような場合が考えられます。

1. 十分量使っているはずなのに、発作が抑制されない場合
2. 副作用と考えられる症状が出ている場合
3. 酵素誘導(お薬を飲み始めてしばらくすると、肝臓での分解速度が速くなる。カルバマゼピン等)により血中濃度の変動が予想される場合
4. 使用量と血中濃度が線形関係(用量を2倍にすると血中濃度も2倍になるといった直線関係)にない場合
5. 怠薬が疑われる場合

お薬の内服が規則正しく、発作が抑制されていれば、抗てんかん薬の血中濃度を測る必要は必ずしもありません。というのは、個人個人で治療効果のある血中濃度は異なりますので、抗てんかん薬のいわゆる有効血中濃度はただの目安に過ぎないからです。なので、血中濃度が低めであっても、有効血中濃度より高かったとしても、発作が抑制されており、かつ副作用がなければ、お薬の用量の変更はしないのがふつうです。

採血するタイミングですが、トラフピークというのがあります。トラフとは、お薬を使う直前の血中濃度が一番低い時、ピークとはお薬を使用後、血中濃度が一番高い時をいいます。

抗てんかん薬の場合、ピークのタイミングは、実はよく分かりません。通常、ピークと称して内服2-4時間程度で計る場合が多いですが、吸収スピードには薬による差、個人差がありますので、一定しません。さらに、徐放剤と呼ばれる吸収がゆっくりなお薬(デパケンRなど)は、ピークがもっと後に来てしまいます。ただ、同じ個人で同じタイミングなら、その人に関してはわりと安定した指標になるかと思います。

カナダでは、本当にきっちり血中濃度をみたい場合はトラフを測っていましたし、日本でもそうしている施設はあります。しかし、外来の患者さん等で、朝一番の採血ができない場合は、内服後に測るしかありません。カナダでは、これをランダムレベルと呼んでいました。どういうタイミングになるか分からないからです。ランダムレベルも参考にはなりますが、よっぽど高い(または低い)数値でない限り、発作頻度や副作用の有無といった臨床的なデータを判断基準として優先していました。

あと、カナダで勉強して知ったのは、北米では有効血中濃度(例えば、バルプロ酸では50-100µg/mL)をトラフ濃度で考えているということです。ピークがいくらかは、患者さんに副作用がなければ気にしていません。なので、ピーク値を基準に治療するよりも使用量が多くなる傾向にあると思います(もちろん、発作が抑制されれば、無駄な増量はしません)。

僕自身は、どういうタイミングで採血するかには強いこだわりはありません。お薬の特性と状況により判断すればよいと思います。

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てんかんカテゴリー作りました

お気づきになった方がおられるかも知れませんが(いるかなぁ?)、ブログエントリーのカテゴリーに、てんかんを作りました。

どちらかというと、てんかんに関する情報提供という意味合いで使う予定です。カナダでの経験談等については、今までどおり医療のカテゴリーにしてあります。

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2012/01/04

てんかん診療における脳波の意義 (Aim of EEG for epilepsy)

てんかん診療の場では、脳波検査がしばしば行われます。

脳波とは、脳にある多数の神経細胞の電気活動を記録するものです。私たちの脳は、これらの神経細胞が協力して働いていますが、神経細胞同士のコミュニケーションは主に電気信号でなされていますので、脳波は脳の機能を見るために大切な検査です。

てんかん診療で脳波検査を行う理由はいくつかあります。

1. てんかんの診断のため

てんかん患者さんでは、一般にてんかん発射と呼ばれる異常な波が出現します。ある患者さんの脳波でてんかん発射がみられた場合、この方はてんかん発射のない人よりもてんかん発作を起こす可能性が高いと考えます。大切なのは、てんかん発射=てんかんの診断ではないということです。なぜなら、てんかん発作のない方でも、脳波をとった場合に数%にてんかん発射がみられるからです。

てんかんの診断は、発作症状の詳細な聞き取りが一番大切です。てんかんは発作性現象なので、診察室で発作を目撃することは稀です。なので、病状の聞き取りが欠かせません。携帯電話などでのビデオ録画があれば助けになります。症状の聞き取りでてんかんの可能性が高く、脳波でてんかん発射が見られ、かつ症状を説明可能な場合、てんかんの診断をします。逆に、何か気になる点、合致しない点等があった場合、てんかんの診断は必ずしも容易ではありません。この場合は、発作をしている最中のビデオ脳波(発作時ビデオ脳波)という検査で発作を実際に記録することが必要です。

抗てんかん薬での治療は数年にわたるものですから、治療を始めるに当たっては患者さんも医師も十分納得しておく必要があります。後述する一部の特殊なてんかんを除き、抗てんかん薬による治療はてんかん発作に対する対症療法に過ぎず、脳波を治療するのが目的ではありません。言い換えれば、年月が過ぎててんかんが治まってくるまで、お薬で発作が出るのを抑えておこうということです。また、てんかん発作でない現象に抗てんかん薬を使う意味はありません(一部の例外を除く)。なので、治療のターゲットとなるてんかん発作の存在をきちんと確認しておく必要があるわけです。

2. てんかんのタイプの診断のため

てんかんにはいろいろなタイプがあり、治療方法が異なる場合があります。てんかんのタイプに合わないお薬を使った場合、発作が止まらないどころか悪化することさえあり得ます。脳波異常のパターンにより、てんかんの分類を行うことで、それに合わせた治療を行うことができます。また、ある程度の予後(見通し)の予測を行うこともできます。

3. 治療の評価のため

てんかん発作が見た目に分かりやすい、本人がきっちり発作をカウントできる等、発作の回数をきっちり記録できる場合、治療効果は発作回数で判定できますので脳波検査は必要ありません。発作が止まっていればお薬を変更する必要はありませんし、発作が止まっていなければお薬を増やす等の調整を行うことになりますから、脳波検査の結果は治療方針の決定に影響しないわけです。

しかし、発作が軽微である、発作が夜間に起こる等、発作の見落としが起こりやすい状況では脳波が役に立ちます。この際は、発作の起こるパターンに応じて、脳波をとる時間帯や長さを考える必要があります。たとえば、夜間のみの発作の方に対して終夜脳波を行う、といった場合です。こういう方での昼間の短時間脳波には、あまり意義を見出せません。脳波異常の有無は治療方針の決定にあまり参考にならないからです。繰り返しですが、お薬のターゲットは発作であり、脳波異常ではありません

こう書いたものの、一部例外があります。それは、てんかん性脳症と呼ばれる状態です。この場合、てんかん発作のみならず脳波異常そのものが患者さんの発達等に悪影響を与えると考えられていますので、てんかん性脳症の場合は脳波もできるだけ治療します。そのため、治療の評価のために脳波をとる必要が出てくるわけです。

4. 治療を終えるため

お薬を飲んで2-3年発作が抑制されている場合、治療を終える可能性を考える段階になります。この段階で脳波異常が残っている場合と消えている場合では、断薬後の発作の再発リスクが異なるので、脳波をとる意義があります。ただし、脳波異常が残っているからといって決して断薬できないわけではありませんし、実際に断薬してみる場合もあります。これは、てんかんのタイプ等にもよりますので、ケースバイケースになります。

ここに書いたことは、あくまで私が日本とカナダで学んだことに基づいて書いた原則論です。医師による流儀の差はもちろんありますし、これが絶対正しいと言い切れるものではありません(そもそも、医療に絶対正しいものなどない)のでご注意を。

また、上に書いた以外の脳波の特殊な用途もありますが、ここでは割愛します。

最後に、何故こんな半分分かりきったようなことを敢えて書いたかと言いますと、過去の自分が検査の意義をあまり考えずに脳波検査の指示を出していたからです。臨床医たるもの、検査の目的、結果に応じての対応等をいつも考えながら検査をオーダーすべし、という反省を込めて書いてます。

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2012/01/01

2012年 (The year 2012)

みなさま、新年明けましておめでとうございます。

私個人は、昨年はトロントでの4年間の修行を終えて日本に戻り、新天地でてんかん診療を行うことになりました。

今年も色々とあるでしょうが、その中にも何らかの楽しみを見出しながら進んでいきたいと思います。

みなさまにとって、本年が素晴らしい年になることを願います。

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