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2010/03/22

外国人医師 (Foregn medical doctors)

下記の記事を発見。

仙谷由人国家戦略担当相は21日、日本の医師免許がない外国人医師の受け入れに積極的な考えを示した。仙谷氏は神戸市内で記者団に「改めて試験を受けないと(診療が)できない。世界レベルの医者に失礼だ。取っ払う方向で仕掛けないといけない」と述べ、一定の条件を満たせば診療できるよう制度の改正を検討する意向を示した。6月に策定する政府の新成長戦略にも盛り込む方針。 (毎日新聞)

世界レベルって、どこの国の医師を指してそういっているのでしょう? もしかして全世界の外国人医師? 取っ払うということですが、一律取っ払うのでしょうか? 「一定の条件」というのが記載されていないので、日本語の能力等についてはどうなるのか分かりませんが。

そうするのなら、ぜひとも世界の国々にも日本人医師を無試験で受け入れるように強く要請してもらいたいものです。対等であるべきでしょう。例えば、USMLE(米国医師国家試験)なしで米国で働けるようにしてもらいたいですね。

もし対等でなく一方通行の関係になるのなら(例えば、米国医師が無試験で日本で働けるのに、日本人医師はUSMLEが必要)、日本人医師は外国人医師よりもレベルが低いということになりませんか? これを屈辱的に感じるのはおかしいでしょうか? 「世界レベルの医者に失礼だ」とのことですが、日本人医師にも失礼だと思います。

僕は、カナダで外国人医師として働いています。そのために、英語での医学の勉強もしましたし、一般会話も練習してきました。知識だってカナダ人医師と渡り合えるようにがんばっているつもりです(もちろん、勉強する点はまだまだありますが)。カナダ(正確にはオンタリオ州)は外国人医師受け入れの基準が米国に比べ緩いですが、それでも母国での専門医資格を最低限要求します。決して簡単なことじゃありません。

医療というのは、知識と技術とコミュニケーションの集大成です。どれが欠落しても患者さんに害を及ぼす可能性があります。システムもレベルも国によって異なります。なので、海外での受け入れに障壁があるのです。それに納得しているからこそ、僕もカナダ側が要求する要件を満たすように努力してきました。将来、米国に行きたくなるかも知れないとも思い、USMLEも受験しました。

それに、試験以外の問題も山積みです。英語圏の医師は簡単には日本にやってきてはくれないと思います。日本語を覚える手間はありますし、カナダや米国で働くほうがよっぽど待遇(時間も給与も)がいいですから。東南アジアのように英語が公用語・準公用語の国だってそうです。言語の壁がないので、英語圏の先進国に行ってしまいますよ。実際、カナダには多く勉強に来られています。労働環境の整備も、きちんとしてもらいたいものです。

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コメント

外国人医師の件、今回の記事で知らなければ無知な私は良いことなのかな?と流してしまっていたと思います。患者側である私としても、あきちゃん先生の意見に賛成です!
先生の活躍をいつも楽しみに読ませていただいています。失礼かもしれませんが、日本に帰国したら一度診察していただきたいです。

投稿: ハナ | 2010/03/22 20:41

ハナさん、コメントありがとうございます。

外国人医師の件、決して全て悪いことばかりじゃありません。カナダでは外国人医師が多く働いています。ですから、日本でもきちんとした基準を作ればよいのかも知れません。

あとは、日本人患者がそれを受け入れるかです。いくら外国人医師を受け入れても、患者が拒否するようでは困ります。よっぽど日本語が下手だとかレベルが低いとかだと別ですが(そういう人は基準をクリアできないようにしないといけません)、そういう正当な理由がないのであれば、外国人医師による診療を受け入れてもらわないと困ります。

トロントの患者さんたちは、外国人医師にとても寛容です。がんばって話を聞いてくれますし、こちらが質問を繰り返しても(イライラはするでしょうが)、ちゃんと相手してくれます。そういう姿勢が日本人患者にも必要だと思います。本当に外国人医師に来て欲しいのであれば。

投稿: あきちゃん | 2010/03/22 21:15

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