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2010/02/09

抄読会 (Journal Club)

今夜は、S教授のお宅での抄読会に参加してきました。これは、2か月に1回行われます。

S教授のコンドミニアムは、Yorkvilleというセレブエリアにあります。噂では、億ションだとか。廊下の内装とか、高級ホテルみたいな感じです。

そこのパーティルームを貸し切って抄読会を行います。簡単な夕食もあります。サンドイッチとラップが主ですが、すぐ近くにあるWhole Foodsという高級スーパーから調達されていると聞いています。おいしいです!

抄読会といっても、ピックアップした論文の内容を簡単に説明する形式ではありません。論文の査読者になったつもりで、批判的に分析し論評するのが目的です。

毎回、神経科のレジデントまたはフェロー(Epilepsy Fellowはしなくてよいので気が楽)が、スライドを作って、タイトル、導入部、方法論、結果、考察に至るまで、バッサバッサと厳しく分析します。もちろん、その途中で、みんなが自分達の意見をバシバシ言います。取り上げられる論文は、だいたいにおいてランダム化試験です。

最後に、この論文を受諾(accept)、修正要求(major/minor revision)、書き直し(rewrite)、拒絶(reject)するかをみんなで決めます。そして、S教授が意見をおっしゃり、まとめに入ります。全体で1.5-2時間かかります。

けっこうみんな厳しくて、時にはrejectと結論することもあります。S教授も、「この論文が何故このレベルの雑誌に掲載にされたのか信じられない」と言われたことも過去にあります。たいていはrevisionということになりますが。

今日は、2008年にLancet Neurologyに掲載された、難治てんかんにおけるケトン食療法のランダム化試験について勉強しました。ケトン食療法のランダム化試験は、この論文以前には存在しなかったので、非常に重要な研究です。みんなであーだこーだと議論しましたが、結局OKということになりました。わりとよく書けていると思います。結論として、ケトン食療法は難治てんかんの発作回数減少に有効であるということです。

この研究には続きがあり、古典的ケトン食療法とMCTケトン食療法との比較結果が2009年のEpilepsiaに掲載されており、効果は同等のようです。

経験上、ケトン食は難治てんかんに有効なのは分かっていましたが、こうやってきっちりと根拠がしめされたのはとてもありがたいことです。

このように、批判的な論文分析のトレーニングを受けられるのは、貴重な経験だと思います。

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