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2009/09/17

てんかん分類改訂へのコメント募集中 (ILAE is asking for comments to revision of seizure/epilepsy classification)

国際抗てんかん連盟(ILAE)が、発作とてんかんの国際分類の20年ぶりの改訂作業中で、現在、ウェブサイトでパブリックコメントを求めている。分類というのは、その時点での知識の集大成であり、発作やてんかんの分類を理解することは、これらに関する概念を理解することにつながるので重要だと思う。

問題に思うのは、これらの改訂の論理的基盤が公になっていないことだ。何故、ある発作型やてんかんが新しい分類に取り入れられ、また別のものが分類から除外されたか、詳しい説明は与えられていない。論理的説明がなければ、政治的かけひきなどの科学的でない要因が入っているのではないかとどうしても疑いたくなってしまう。

もともと、てんかん症候群という診断単位には(ほかの分野でもそうかも知れないが)、そういった政治的背景があると思う。誰か偉い人が、「こういった特徴をもつてんかんの一群を○○症候群と呼ぼう」と言い出し、他のてんかんとはここが違う、あそこが違うなどと強調する。そうすると、自然にそれがまかり通ってしまう。本当は、違った特徴の組み合わせを選んだ方が良いのかも知れないのにである(もちろん、大きな間違いがあれば淘汰されてしまうのだろうが)。そうして、際立った特徴を持つ少数のグループのみが、てんかん症候群として認知され、あまり特徴のないその他大勢は、「症候群とはみなされないその他のてんかん」とみなされる。そこに、全てを包括するような体系的な分類は存在しない。局所ばかりに注目して、全体を眺めていないのである。

今回の改定案もみたが、特徴的なグループから始め非特異的な方向へ進めていくといった基本的姿勢は変わっていないようだ。まず症候群が定義され、次に症候群とまではいかないがある程度の特徴を有する群をコンステレーション(よい日本語が思いつかない)と定義している。症候群にもコンステレーションにも該当しない「その他のてんかん」は、病因によって分けられる。ここにはあらかじめ定められた名前のリストはなく、個別に記述して対応することになるらしい。

このようにボトムアップのやりかたで分類を構築してしまうと、これは診断のガイドとしては役に立たない。診断のプロセスとしては、広い範囲から徐々に範囲を絞っていくので、トップダウンの方向に進むからだ。

例えば、てんかんの診断において、それが症候群であろうがなかろうが、病因は重要である(今回の報告にもそう記載されている)。ならば、分類は何故、全て病因から始めないのかと思ってしまう。症候群診断は最後でよいのではないか。

これは、ILAEも承知していて、2007年のシンガポールの国際学会でも、診断ガイドがまだできていないという趣旨の発言がなされていた。知識の集大成と現場での実用性は、別問題だと考えているようだ。これは、長きにわたって論議されてきた問題であり、臨床医にとっては実にやっかいなことである。

僕も、昨夜、時間をかけてコメントを作成した。今、英文チェックを同僚に頼んでいるところである。

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