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2009/03/31

カナダでのてんかん専門医の需要 (Demand for epileptologist in Canada)

1年目のEpilepsy FellowであるA先生が、オンタリオ州のある病院に面接に行ってきました。職探しのためのjob interviewです。1時間のプレゼンテーションをし、何人ものスタッフと面接をしたそうで、かなり忙しかったようです。一応、job offerの内定をもらったとのこと。すばらしいことです。

ちなみに給与は、こなす仕事の量にもよるが、最低20万ドルはもらえるとのこと。最低年収が1600万円相当ですから、かなり良い暮らしができそうです。忙しいとはいっても、日本よりは忙しいことはないでしょうから(オンオフがはっきりしているし、自分の専門領域に集中できる)、うらやましいことです。

もう1年目のEpilepsy Fellowが職探しをしているのに、2年目の僕はのんびりとしたものです。僕は来年度もSickKidsに残ることが決まっているので急ぐ必要がないですし、日本へ帰る選択肢があることが理由です。といっても、不確定要素は多いんですが。

周囲のみんなからは、もし僕が本気になって探せば、北米で職を見つけることは可能だと言われています。スタッフに頼めば、強力な推薦状を書いてもらうことができるでしょう。米国でもカナダでも、小児神経専門医、てんかん専門医の需要は高いのです。もし、北米で就職すれば、専門分野に心置きなく集中できることでしょう。それもかなりの高給でです。

しかし、日本にやっぱり帰りたいものです。故郷ですから。ただ、自分がこの2年近くで学んだこと、また今後1年で学ぶことがどこまで日本で役立てられるのかが問題です。ふつうの病院に行ったとすれば、昨今の医療事情を考える限り、一般小児科、特に時間外診療も行う必要にせまられるでしょう。それが嫌とは言いませんが、そちらに時間をとられてしまえば、自分が3年かけてカナダで学んだことの意味はなくなってしまうでしょう。

なので、自分の専門領域に集中できる場所がよいなぁと思っています。

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コメント

偶然こちらのブログに立ち寄りました。
日本で脳波検査をしている臨床検査技師です。
不適切な書き込みで申し訳ないのですが、さしつかえなければ、教えていただけないでしょうか?
1)日本では、子どもさんが不安にならないようキャラクターのぬいぐるみやポスターなどで工夫されている脳波室もあるようですが、SickKidsの脳波室はどのようなレイアウトでしょうか?
2)日本では、協力的でない乳幼児でも覚醒で電極装着をしている病院と、覚醒で電極装着が可能でも(入眠できないかもしれないので)薬剤導眠してから電極装着をしている病院があると聞いていますが、SickKidsではどうでしょうか?
3)英国の脳波検査は覚醒時しか記録しないと聞いていますが、カナダではどうでしょうか?
4)北米の病院ではCLSという職種のスタッフがおられると聞いていますが、SickKidsでは、脳波検査でCLSが関わられることはあるのでしょうか?

投稿: タナベ | 2009/03/31 11:45

タナベさん、こんにちは。質問に順にお答えしますね。

1) こちらの脳波検査室(外来)は、すべて個室です。広さは、4畳半弱くらいかと思いますが、少し縦長です。廊下からドアを空けて入ると、すぐ横にベッドがあります。ベッドの高さは、大人の胸の高さくらいです。保護者の方は、ベッドの近くの椅子に座ることができます。脳波計もベッドのすぐそばにおいてあり、脳波技師は脳波計の前に座って脳波を記録します。人形などはあまり置いていなかったような気がします。天井近くの壁際にテレビが置いてあり、患者さんはテレビを自由に見ることができます。
2) こちらでは、協力的でない患者の場合、押さえて電極を装着できるのであれば、覚醒のままで電極を装着します。無理な患者の場合は、薬剤で鎮静をかけます。日本と違うのは、あらかじめ医師から鎮静の指示がでていなければ、検査は中止になることです。その理由は、鎮静には専属の看護師が必要だからで、鎮静つきの脳波の場合、専用枠に予約する必要があるからです。年少児は抱水クロラール、年長児はネンブタールで鎮静します。鎮静の際には、専属看護師がずっとつき、バイタルサイン等の記録を行います(麻酔記録と同様の記録です)。つまり、検査をしていて、眠ってくれないから途中で鎮静を行うということはSickKidsではあり得ません。
3) 脳波で覚醒・睡眠をどう記録するかは、すべて医師の指示によります。睡眠時脳波は全例に必要ではなく、検査目的によります。睡眠時脳波が必要であればそう明示します。はっきりした指示がなければ、覚醒時のみの記録になります。もちろん、途中で自然に眠ってくれれば、睡眠時記録ももちろん行います。どうしても睡眠時脳波が必要な場合は、sleep deprived EEG、つまり断眠脳波の指示を行います。この場合は、午前2時くらいに起こして、そのまま眠らせずに病院に来てもらいます。付き添う人はしんどいですね。
4) Child Life Specialistは、通常の外来脳波にはかかわりません。しかし、てんかん発作を記録するための長時間ビデオ脳波記録の入院になりますと、患者にかなりのストレスがかかりますので、お世話になることもあります。私が指示した覚えがないにもかかわらず、来てくださっているのを見かけますので、看護サイドの判断でお願いできるような仕組みがあるのではと思っています。

投稿: あきちゃん | 2009/03/31 12:44

お忙しいと思っていましたが、すぐに詳細な答えをいただき、感激しています。
具体的に書いてくださったのでわかりやすく、とても興味深いです。
日本でも、専属看護師やChild Life Specialistが、脳波検査に付き添ってくださるようになって欲しいです。
大変参考になりました。
ありがとうございました。

投稿: タナベ | 2009/03/31 16:32

小児神経の椅子を磨いてお待ちしています!!!

理想の診療体制が組めるのはかなり先でしょうが・・・

舛添君にもよく言っておきますから!!(笑)

お帰りの際はご一報を!!!

投稿: 通りすがりのサンチョ | 2009/03/31 19:17

タナベさん、他にも色々違う点があるんだなと思いました。また何かご質問がありましたら、いつでもどうぞ。

投稿: あきちゃん | 2009/04/01 03:15

通りすがりのサンチョさん、ご勧誘のコメントありがとうございます。

そうですね、ぜひ舛添君に物申してください。また、ベッドがほとんど埋まっているにもかかわらず、外来が繁盛しているにもかかわらず、病院が赤字になってしまうような狂った診療報酬体系も何とかしてもらってください!

投稿: あきちゃん | 2009/04/01 03:18

はじめまして、durapun2001です。わたしはカナダで臨床研修を行いたいと考えている麻酔科専門医です。将来的にはカナダで就職できればと考えていますが、カナダで正式に就職するのは相当難しいと聞いております。あきちゃん先生はどのような理由で、北米での就職が可能なのでしょうか?

投稿: durapun2001 | 2009/04/29 11:40

durapun2001先生、こんにちは。

麻酔科に比べますと、小児神経科医、てんかん専門医は、たぶん絶対数がずっと少ないのだと思います。カナダでは、最低数か所の大きなセンターで空きポストがあると聞いています。同僚のA先生がインタビューに行ったところもその1つでした。

私はカナダの脳波専門医資格もとりましたので、これも強みになります。てんかんの診療には、脳波が読めることが必須ですので。

カナダでは専門領域の細分化が進んでおり、小児神経科医でも、てんかんや脳波をあまり知らない先生方も多いのです。一方、てんかんは、小児ではありふれた疾患で、患者数はわりと多いのです。そういったこともあり、需要がそれなりにあるのだと思います。

投稿: あきちゃん | 2009/04/29 12:40

ご返答ありがとうございます。再び、durapun2001です。IMGが正式に医師免許証を取得する際、カナダでレジデントプログラムを終了する必要は必ずしもないのでしょうか?

投稿: durapun2001 | 2009/04/30 16:39

必ずしも必要ではありません。個別評価ルートというのがあります。この場合、制限つき免許(教育免許とは異なります)でスタッフとしてしばらく働き、それから正式な免許を取得するという手順になります。

方法はprovinceにより異なります。CPSOについては、このブログの左下にCPSOへのリンクがありますので、そちらをご参照ください。

投稿: あきちゃん | 2009/05/01 03:45

 durapun2001です。お忙しい中、ご返答いただき、ありがとうございます。最近、体調不良で英語の勉強に身が入りませんでしたが、先生のご返答で再び英語の勉強のモチベーションが高まりました。この春のうちに
TOEFLのスコアをクリアしてCVをトロントの病院に送りたいと考えております。ありがとうございました。

投稿: durapun2001 | 2009/05/01 18:26

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