« 無罪判決 (Verdict of innocence) | トップページ | 週末 (Weekend) »

2008/08/23

腰椎穿刺 (Lumber puncture)

腰椎穿刺という手技があります。こちらでは、LP (lumber puncture)と呼ばれています。

僕のようなEpilepsy Fellowは、主にepilepsy monitoring unitの入院患者と、コンサルト(他科、神経科)が主な業務であり、神経科の入院患者さんなどに自分たちが腰椎穿刺をすることは通常ありません。だから、SickKidsで腰椎穿刺をどうやってしているのか、今まで見る機会がありませんでした。大まかには同じでしょうが、細かい手順を見ておきたかったので。

今日、腰椎穿刺が手術室で行われるとの情報を得ました。何故、手術室かといいますと、幼い子供なので、全身麻酔下で行うとのことです。私は日本でそういう経験はありませんでしたので、ちょっと驚きでした。直後に筋生検をするというのもあったみたいですが。

こちらは、MRIでも脳磁図でも、しっかり寝かせる必要がある場合は、挿管して全身麻酔下で検査を行っています。もちろん、麻酔科医が1人立ち会ってです。このようなことも、日本では未経験でしたので驚いたことを覚えています(おかげで、鎮静ありMRIの予約待ちは半年くらいかかるらしいです)。

色々思うに、こちらの神経科レジデントは腰椎穿刺を自ら行う頻度が少ないのではないかと思います。髄膜炎などはGeneral Pediatricsに入院しますから、ERかGeneral Pediatricsで検査をされてしまいますし、神経科レジデントが入院をとるのは、たぶん1年のうち半年もないだろうから(残りの期間は、各専門領域をローテイトで外来がメイン)。日本では、小児科をやっていれば、腰椎穿刺をする機会はいくらでもあります。僕は、インターフェロン髄注をやっていた患者さんを担当していたこともあり、研修医の1年目だけで、軽く100回は行う機会がありました。

さて、今日の腰椎穿刺は2年目のレジデントの先生が行い、僕はただ見学をしました。こちらのレジデントは、例え過去に経験があろうとも、最初の腰椎穿刺では必ず監視がつきます。1年下のEpilepsy FellowのA先生も一緒に来たのですが、彼はこちらに3年いるので(神経科フェローをしていた)、彼がレジデントを指導しました。そして、スタッフのL先生。

腰椎穿刺では、針を刺す角度が全てです。ポイントを決め、背中の左右方向に対してきっちり直角、上下方向に対しては少しだけ頭側を狙う。あとはゆっくり針を進めていけば、硬膜を破ったときに手ごたえがあり、あとは髄液を採取するのみです。子供は動くので、介助者がしっかり抑える必要があります。「おさえ8割」とよく言っています。しかし、今回は全身麻酔がかかっているので、患者さんが動くことは通常ありません。

レジデントの針の角度は問題なかったように思いましたが、たぶん十分深くなかったのだと思います。途中でA先生に替わり、腰椎穿刺は無事に終了しました。Neurotransmitterの提出があったので、traumatic tap(血管に針があたって赤血球が混入する)を避けたかった状況でしたから。

結論からいいますと、日本で自分がやってきたことと、ほとんど変わりませんでした。同じ手技だから当然といえば当然なんですが。まぁ一度はこっちのやり方を見ておかないと。

これで、必要とあれば、いつでも堂々と腰椎穿刺ができます。ちなみに、Epilepsy Fellowは、神経科専門医を持っていることが前提ですので、腰椎穿刺に指導医は不要です。

しかしまぁ、こちらでは、自ら手技を行う機会がありませんので(点滴ラインは、全て専門のチームが行ってくれる)、腕がなまってしまうのが心配。

|

« 無罪判決 (Verdict of innocence) | トップページ | 週末 (Weekend) »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« 無罪判決 (Verdict of innocence) | トップページ | 週末 (Weekend) »