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2007/03/09

カナダ医師免許の申請 (Application for Canadian medical license)

カナダで医師として医療を行うためには、カナダの医師免許が必要です。クリニカルフェローとしての免許ですから、所定の教育病院における監督者つきという条件下での限定的な免許です。だから、厳密には医師免許といっていいのか分かりませんが、いい言葉が思いつかないので、ここでは「免許」と書いておきます。

カナダや米国では、州ごとに免許が発行されます。僕が行くトロントはオンタリオ州なので、オンタリオ州のThe College of Physicians and Surgeons of Ontario (CPSO)に申請して免許を取得します。

手続きは、いろいろと準備が必要で、本当に手間がかかります...

まずは、上記のCPSOのサイトに行き、登録用紙をダウンロードしてきます。外国からのクリニカルフェロー用の登録用紙が用意されています。

まずすべきことは、この用紙をじっくり読むことです。最初の3か月は評価期間であること等の説明が細かく書いてあります。そして、必要な書類の説明。たくさんあります...

大事なポイントは、原本が日本語の書類は全て認証された英訳が必要であること、書類を記載してもらう機関からCPSOへ直接発送してもらうべき書類があること、公証役場における宣誓認証が必要な書類があることです。

英訳の認証は、Association of Translators and Interpretors of Ontario (ATIO)の認定メンバーによる翻訳および認証、在日カナダ大使館・領事館での認証、在カナダ日本大使館・領事館での認証になります。カナダ大使館での認証の場合は、翻訳者自らが出向いて認証を受ける必要があります。そういうサービスを行っている翻訳会社もあります。在カナダ日本大使館・領事館での認証ですが、在トロント日本国総領事館では、日本政府が発行した公文書のみ英訳の認証をしてくれるそうです。医師免許証は可能とのことでした。

私自身は、ATIOのメンバーの方がされている、トロントのArt Wordsに直接連絡をとってお願いしました。(2008/4/3追記: 必要な書類をスキャナで画像として取り込み、e-mailに添付してお願いしました。Art Words側でその画像を印刷し、それに基づいて英訳、翻訳認証をしてくださいました。)

必要な書類を順に書きますと、

申請用紙。必要な記載を行い、公証人か弁護士に公証してもらいます。

学位記のコピーと英訳。ATIOの方に翻訳をお願いしました。

卒業証明書。CPSOの所定の様式を出身大学で英語で記載していただき、CPSOに直接郵送してもらいます。

英文成績証明書。出身大学で作ってもらい、これも同様に、CPSOに直接郵送です。

専門医認定証のコピー。日本小児神経学会専門医認定証は、原本に英語の記載もありますので翻訳不要でした。これは大きかった。日本語のみの認定証は翻訳認証が必要です。MCCEEという試験(Medical Council of Canadaが行っている、外国で医学教育を受けた人が、カナダでの医学教育に相当する知識を有しているかを評価する試験)に合格していれば不要。

医師免許のコピーと英訳。ATIOの方に翻訳を依頼。MCCEEに合格していれば不要。

就労許可証。永住権やカナダ市民権の証明でも良いらしいですが... これは、カナダへ渡航しないと発給されないので、これをCPSOに提示するのが最終ステップになる。

パスポートのコピー。これも公証が必要。以前に書きましたが、パスポートのコピーの公証(認証)は、公証人はしてくれません。日本でできるのは、弁護士か行政書士のようです。カナダでは、公証人がしてくれるらしいですが。(2008/4/3追記: 私は最初、行政書士に行ってもらいましたが、CPSOは受け付けてくれませんでした。最終的に、カナダ領事館(私の場合は広島の名誉領事館)にお願いいたしました。)

Evidence of Standing。医療過誤などで行政処分を受けていないことの証明です。CPSOの所定の書類があり、厚生労働省医政局籍登録事項英文証明の申請書とともに郵送すると記載してもらえます。念のため、厚生労働省医政局に行政処分関係英文証明書も別途作成していただきました。こちらは、所定の書類に記載するのではなく、厚生労働省独自の書式で作成してもらうものです。どちらも1か月くらいかかるそうです。また、これらは、CPSOに直接郵送してもらう必要があります。なお、CPSO指定の書類には専門医資格の取得年月日、トレーニングをどこで受けたかを記載する欄もあり、厚生労働省はこの部分は記載不可能とのお返事でしたので、CPSOの書式を日本小児神経学会にも1部送り、該当する事項を記載していただきました。こちらもCPSOに直接郵送です。

無犯罪証明の開示の同意書。指定の書式にサインと日付を書いてOK。サインの有効期間が1か月しかないので、サインしたら直ちにCPSOに郵送する。

医療に従事しなかった期間の宣言書。
医療から離れた期間が6か月を超える場合は、公証が必要です。

英文履歴書。指定された事項をきっちり書く。ここ最近、ずいぶん履歴書(Curriculum Vitae、Resume)に手を入れました。だいぶ見栄えが良くなったと思います。

登録料の支払いの書類。クレジットカードでOK。

ざっと、これだけ書類がいります。準備に手間と時間がかかりました、ホント。USMLEや就労許可証の申請の方が、はるかに楽です。やはり、免許となると、厳しいものですね。

この申請は、まだ完了していないので、途中で修正や追加が必要になるかも知れませんが、興味ある方へのご参考になればと思います。(2008/4/3追記: 上記の手順で、無事にCPSOから免許を発行されています。)

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コメント

Sick Kidsで研修するため,現在CPSO書類を準備中で,このブログを参考にさせて頂きました.とても助かっています.ありがとうございました.

追加ですが,私が入手したところよると,
Evidence of Standingについてですが,トレーニングをどこで受けたかについては,小児科学会は記載不可能というお返事でした.

また,姓が変わると,戸籍謄本ではなく,婚姻届受理証明書が必要だそうです.公証役場で公証してもらえます.(戸籍謄本の方が詳しい情報記載あるのですが,CPSOのほうでは,あくまで,marriage certificateにこだわっていました)

CPSOを含め,書類準備が大変ですね!
最初のスタートが遅かったので,7月には間に合わないかなとはらはらしていますが,1つずつこなしていくしかないかなと思っています.


投稿: かず | 2008/03/22 18:40

かずさん、こんにちは。

小児科学会の専門医をお持ちであれば、専門医試験の受験申請書を提出した際に、どこでトレーニングを受けたか申請書類に記載して、小児科学会に提出したことと思います。

そうであれば、学会は、かずさんがどこでトレーニングを受けたかという情報を持っているということになりますから、それと同じ内容を記載していただくようお願いできるのではないでしょうか?

投稿: あきちゃん | 2008/03/23 11:54

あきちゃんさん、コメント、ありがとうございます。

実は、私も、そのように説明してお願いしてみたのですが、そのとき連絡した窓口の方には断られてしまい、「それぞれの研修先から出してもらって下さい」と言われてしまいました。前例がないとも言われ、困っているところです。

何かご存知の方がいらっしゃれば、教えて頂ければ幸いです。

投稿: かず | 2008/03/23 23:48

かずさんへ。

それは、お困りですね。こちらには、小児科専門医でクリニカルフェローをされている方がおられるはずですので、前例はあると思うのですが...

こちらへ留学している医師のメーリングリストがありますので、問い合わせてみました。返事をもらい次第、情報をお伝えいたします。

投稿: あきちゃん | 2008/03/24 01:17

かずさんへ。

少しずつ情報が集まってきています。これ以降は私信の方が良いと思いますので、もしよろしければ、このブログの左上のプロフィールのリンク先から、私宛にメールを送ってください。

投稿: あきちゃん | 2008/03/24 10:05

UWOに留学予定で現在CPSOの書類に悪戦苦闘しております。このサイトを参考にさせていただいております。ありがとうございます。
ところで申請用紙(application form)のなかで一部分からないところがあり、教えていただければと思います。P9のところにlist the name of every jurisdiction where you have practised medicine. For each period of practice, please provide the corresponding licence numberというところがあります。 ここには何をかけばいいのでしょうか。前のページにpostgtaduate medical training completed outside of CANADAを書かせるところもあり、この違いがわかりません。
教えていただけないでしょうか

投稿: 亀井 | 2009/01/23 16:26

亀井さん、こんにちは。

List the name of every jurisdictionですが、日本でのみ医療を行っていた場合は、jurisdictionとしてJapan、どういう医療を行っていたか(私の場合は、general pediatrics & child neurology)日本で医療を行った期間、医籍登録番号を記載しました。

その前のページのpostgraduate medical trainingの欄には、専門医資格をとるまでの研修歴を記載します。

投稿: あきちゃん | 2009/01/25 13:48

はじめまして!
今度Princess Margaret Hospitalの放射線腫瘍科でClinical Research Fellowshipで働かせてもらえることになりました。
先方から「医師免許とか卒業証明書とかのコピーを送ってね」と(送ってね、程度のニュアンス。。。)言われまして、準備中です。CPSOに申請云々の話は先方の秘書さんは何も言及しておらず、免許や証明書の書式とかも何も指定もないので、こちらの内容を参考にしたいと思います。

そこで質問です。
英文の医師免許を取り寄せて送るについて、厚生労働省のHPには「所属長等による英文証明書の発行願(1部)」が必要とあります。
実際に臨床に従事するし担当患者も持つので、こちらのHPにある医師免許申請と同じ流れかと思うのですが、「所属長などによる英文証明書の発行願」、これはトロントの病院から発行してもらいましたか?書式とかは何かありましたか?

ちなみに私は、医学教育研究と兼務のため、トロント大学の教育学の大学院生として研究をしながら病院にも臨床医で勤務という勤務形態です。先に就学ビザで渡航してから、臨床は1月からと言われています。

投稿: どぜう。 | 2009/06/26 13:58

どぜう。さん、こんにちは。

英文医師免許を厚生労働省に発行してもらうのに、私は申請書以外は不要でした。所属長等による英文証明書の発行願は、私の場合は、行政処分関係英文証明書の発行のために必要でした。今は、申請方法が変わったのでしょうか? 書式は、厚生労働省に問い合わせれば、サンプルを送ってもらえると思います。私は、そのサンプルを元にMicrosoft Wordで作りました。

なお、CPSOは日本語書類の英訳には厳しく、すべて所定の機関での翻訳認証が必要です。たとえ厚生労働省が作成した医師免許英訳でも認証がなければ突き返される可能性があります(実際にあったという話を聞いています)。

医師免許の英訳の認証は、日本国内ではカナダ大使館・領事館で行われたもののみがOKです。カナダに臨床の開始前に来られるのであれば、トロントの日本総領事館でも認証が可能です。

投稿: あきちゃん | 2009/06/28 02:56

大変懇切丁寧な内容でありがとうございます。
質問ですが、
1)これらの手続きでどのくらいの期間がかかったのでしょうか、おしえてください。
2)これらの手続きは受け入れ先をさがしてから、着手すべきですか?
3)また、その方法でカナダで臨床実習をおこなったのち、あとレジデントを終了するのに何年必要でしょうか?
4)その間に、MCCEEに合格、レジデントもカナダで終了したかたで、その後、その免許でアメリカでの臨床を認められた例もありますでしょうか?

ご多忙のおり、恐縮ですが、すみません。教えていただけると助かります。

投稿: Nonon | 2009/07/18 17:52

Nononさん、
1) 詳しくは覚えていませんが、3か月程度だと思います。書類自体は、1.5か月ほどでそろうと思います。CPSOに届いてから、不備書類(work permitなど)の連絡が届いたのが約1か月後でした。最終的にWork permitのコピーをCPSOに提出しなければなりませんので、手続き終了はカナダ入国後になります。
2) 受け入れ先がなければ、着手できません。申請書に受け入れ先を記載することになっています。
3) フェローシップの後にレジデンシーに入るという、逆のやり方を聞いたことはありますが、一般的ではありません。レジデンシー自体は、内科系なら4-5年でしょうか。レジデンシーに入るのは、IMGにとっては極めて難関です。
4) カナダでレジデンシーを終了し、専門医試験、MCCEQE IおよびMCCQE IIに合格すれば、正規のカナダ医師免許が得られます。そうすれば、アメリカで臨床をUSMLEなしで行えます。アメリカ医師がカナダの免許なしで臨床を行えるのと同様です。ただ、開業は無理と聞いています。

投稿: あきちゃん | 2009/07/18 21:12

再びすみません、おしえてください。
そのフェローシップでお給料はいただけますか?
また、申請の際は語学試験結果も必要ですか?

投稿: Nonon | 2009/07/22 21:35

Nononさん、
フェローシップで給与が出るかどうかは、プログラムに依存します。希望プログラムのプログラム・ディレクターに直接問い合わせてください。
一般的に、給与の出るポジションは非常に競争が激しいです。留学してきているフェローの多くはself-funded、つまり自己資金を使っているか、別の所から給与をもらっている(国費留学など)ということです。
申請資格ですが、自分が希望するプログラムの専門領域の基本となる分野の専門医資格が必要です(小児神経科なら、日本小児科学会専門医)。これもプログラムにより異なると思います。
語学試験ですが、これもプログラムによります。私のフェローシップでは不要でしたが、ICUや外科系では必須とも聞いています。

投稿: あきちゃん | 2009/07/23 12:26

先日は回答を頂きまして有り難うございました.
後学のためにこの場を借りてご報告させて頂きます.
証明発行依頼に関する所属長の手紙は,なんと日本の所属長のものでよいと言われ!結局それで発行して貰いました.
厚生労働省から直接カナダに送って貰い(EMSの伝票と料金1200円分の切手を同封しました),
病院の事務から提出してもらって受理待ちです.
自分の専門医の認定証は,こちらのHPからたどった翻訳サービスをお願いすることにしました.

次の方の,有給のポジションについて私の場合は,最初はやはり有給のポジションから落選したのですが,
(オンタリオ州は自動車産業の衰退で財政が厳しいからと言われました)
自力で一部他の奨学金を取り,その旨を話したら,不足分を補填する形で有給のポジションを頂けることになりました.
私の場合は,日本でやってきた業績が先方のニーズと一致していたこともあったようなので,それも含めて交渉次第という印象です.
もうすぐ出発という状況で,まだ現地到着前の情報ではありますが,ご参考になりましたら幸いです.

投稿: どぜう。 | 2009/08/01 12:22

どぜうさん、こんにちは。
不足分の補填の形としてでも、有給のポジションをいただけてよかったですね。先生が、奨学金を得られるために努力された賜物だと思います。
無給のポジションだと、一般小児科のオンコールをして給与を得るパターンが多いのですが、これはかなりきつい仕事と聞いております。
なので、とても大きいことだと思います。本当におめでとうございます!

投稿: あきちゃん | 2009/08/02 10:19

いよいよCPSOの申請に取りかかるよう病院側から指示をされたのですが,
「公証」って,トロントで行う場合は,誰にして貰えばよいかアイデアはありますか?
それと,今までの病院での職歴証明(CPSOに直接送るよう申請書に書いてある)は
どうされましたか?
私の場合は,フェロープログラムは来年1月からなのですが,
トロント大学の教育学部の大学院生と同時並行でのプログラムになっており,
先週からすでにトロント入りしています.
是非アドバイスのほどお願い申し上げます.

投稿: どぜう。 | 2009/08/10 20:41

公証は、公証人notary publicにお願いします。公証人の事務所がありますが、職場でも公証人の資格を持つ方がおられる場合があり(SickKidsの場合はそうです)、その人にお願いすれば公証してもらえると思います。

過去の職歴証明が必要なのですか。私の場合は、専門医を取得するための研修証明のみでしたが(どこの施設でどの期間研修を受けたのか)。研修証明のみであれば、上記の記事のとおり、学会に頼むことができます。学会が記載してくれない場合は(日本小児科学会が以前はそうでした)、過去の勤務先に個別に英文在職証明書(Proof of Employment)をお願いした先生がおられました。

もし、過去の全ての職歴証明が必要であれば、自分は不必要だったので、よく分かりません。英文在職証明書が役に立つと思いますが、詳しくはCPSOに尋ねられた方がよろしいかと思います。

投稿: あきちゃん | 2009/08/10 21:30

アドバイス有り難うございました.PMHにもいないか尋ねましたら,PMHにもいるとのことで解決できました!有り難うございましたhappy01
引き続き頑張ります.

投稿: どぜう。 | 2009/08/14 12:24

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