2018/05/17

脳波クイズ Q7

ずいぶん久しぶりになってしまいました。

年度末、年度初め、5-6月の学会準備で追われています。追われている時こそ、息抜きしたくなるのです。そこで、脳波クイズです。

Q7. 12歳女児。以下の質問に答えてください。

1. モンタージュは何か?

2. 覚醒時記録か、睡眠時記録か?

3. 出現している特徴的な波形は何か?

4. 正常脳波か、異常脳波か?

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2018/03/23

パープルデー

パープルデーってご存知ですか?

カナダの小学生の女の子から始まった、国際的なてんかん啓発運動の日です。

毎年、3月26日。今年は月曜日です。

てんかんの方を応援するメッセージとして、紫色の物を身に着けようという運動です。

何を身に着けるかはその人の自由。

Tシャツ、バッジ、リストバンドなどのグッズが、パープルデー企画実行委員会のページを通じて手に入れられます。

てんかんは、100人に1人。

てんかんは、赤ちゃんから老人まで誰でもなる病気。

なのに、てんかんという病気についての世間の理解はあまり進んでいません。

自分の周りにてんかんの方が全くいなかったとしたら、本当にいないのではなく、あなたに言い出すことができない方達が隠れているのかも知れません。

てんかんという病気を、てんかんをもつ人の悩みを、少しでも分かってあげて欲しい。

そう強く思います。

私の職場ではポスター展示を行い、啓発資料も多数取り揃えました。この数日間で、どんどん数が減ってきているのがうれしいです。

来年は、もう少し外に打って出る方策を考えたいところです。

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2018/03/05

てんかん症例TVカンファレンス(続き)

前回の記事で、岡山県内の3病院を結んだてんかん症例TVカンファレンスのことについて書きました。

その後、接続テスト等を少し行い、2月末に再度トライしました。

今回は、無事つながり、お互いの声も顔も見ることができました! さっそく、1つの病院より症例提示があり、カンファレンスを行うことができました。

音質も画質も申し分ない。これで、離れている医療機関とも診断や治療方針についての討論ができる環境が整いました。

今後は、参加施設を少しずつ増やしていきたいなと考えています。

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2018/02/05

てんかん症例TVカンファレンス

先日、岡山県内の3病院を結んだ、てんかん症例TVカンファレンスのテストを行いました。

結果ですが... なかなかうまくつながらず。

1か所は、声は聞こえるのに向こうの画像が見えず。こちらからの画像は向こうに見えているとのことでした。

もう1か所は、なかなか最初はつながらなかったのですが、先方のネットワークの設定(セキュリティレベル?)を変更してつながりました。ただ、パワーポイントの画面共有がうまく動かず。

一応、解決策は見えていますので、それぞれの病院と解決策を検討したうえで、2回目のテストを今月中に行えればなぁと考えています。

うまくはいかなかったものの、遠くの相手とつながっているという雰囲気は強く実感できました。もう少し調整すれば、うまくいきそうです。

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2018/02/04

てんかん重積状態に対するミダゾラム持続点滴静注療法

てんかん重積状態の治療に使われる薬剤の一つにミダゾラムがあります。

ベンゾジアゼピン系薬剤の1つですが、海外では保険適応がありません(自分の知る限りでは)。しかし、日本では保険適応がみとめられましたので、堂々と使えます。

非常に使いやすいお薬だと思いますが、物議をかもし得る治療法として、ミダゾラム持続点滴静注療法があります。

てんかん発作がミダゾラムで止まった。ただ、静注1回では効果が持続しないので、持続点滴しておけば再発を防げる、という考え方で行われることが多かったのではないかと思います。

ただし、呼吸抑制をきたし得る薬剤であることもあり、特に救急・麻酔領域の先生方からは、病棟での安易な使用を強く戒める声が少なくなかったように思います。

小児けいれん重積治療ガイドライン2017

小児神経学会が出版した、小児けいれん重積治療ガイドライン2017では、このミダゾラム持続点滴静注療法については、第二選択の治療としては推奨しないことになっています。

第一選択の治療は、ベンゾジアゼピン系薬剤(ジアゼパム、ミダゾラム)の静注です。

もし効いた場合に、再発予防として使うことは完全否定してはいませんが、脳波モニタリングを行うよう推奨しています。

効かない場合には第二選択薬に進むわけですが、その際にミダゾラム持続点滴静注は推奨していません。ミダゾラムは、第二選択薬も効かない場合、昏睡療法(高用量を使う)としての使用を推奨しています。合わせて脳波モニタリングを推奨しています。

まとめれば、ミダゾラムを使う際には脳波モニタリングを推奨、第一、第二選択薬が効かない場合には昏睡療法を推奨ということです。

何故、このような記載になっているのでしょうか?

まずは、治療効果の評価の問題です。

ミダゾラムを持続点滴すると、患者さんは眠ったままになります。催眠作用のある薬ですから。つまり、意識レベルの評価ができなくなります。けいれん重積(正確な用語は、けいれん性てんかん重積状態)の初期治療後は、目に見えない発作が残っている場合があります。このような発作は、非けいれん性発作と呼ばれますが、これが重積(非けいれん性てんかん重積状態)していても、見た目には分かりません。患者さんの意識は当然ながら戻りません。つまり、持続点滴で「眠らせて」しまうと、眠っているだけなのか、見えない発作が重積していて意識が戻らないのか、見た目では区別不能になるのです。

1回静注しただけの場合、1-2時間経って意識が戻らなければ、「おかしいな、気になるな」と思うものです。しかし、持続点滴していれば、「眠っていて当然」ですから、異状に気付くのが遅れる可能性、つまり適切な治療が遅れる可能性があります。

そのため、持続点滴をするのなら脳波モニタリングをせよという推奨になるのです。治療したなら、効果はしっかり評価しないといけません。

もう1つは、用量と発作再発の問題です。

日本で行われていた持続点滴は、低用量が多かったです。保険で承認されている量の最大量も0.4mg/kg/hで、比較的低用量です。海外では、もっと高用量(1.4~2mg以上/kg/h)が用いられています。もちろん、ICUに入院して、呼吸循環管理を行った状態でです。

今回のガイドラインでは、ミダゾラム持続点滴静注療法を、第二選択薬が効かない場合、つまり難治性の場合に使うよう記載してあります。同レベルの選択肢として、バルビツレート昏睡療法も記載されています。いずれもICUでの呼吸循環管理が必要です。

こういう状況で使う選択肢のため、しっかり使って発作をきっちり止めるということにウエイトが置かれています。それでも、ミダゾラム持続点滴療法中は、非けいれん性発作が再発することが少なくなく、脳波モニタリングが特に重要とされています。

こういった事情で、昨年出版されたガイドラインに従えば、ミダゾラム持続点滴静注療法を使う機会はより限定されてくると思います。今度の小児神経学会では、ガイドライン出版後に関する討論のセッションが組まれていますので、実際にどのようになったのか、現場の先生方がどのように考えておられるのか、といったお話がうかがえることと思っています。

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2018/01/26

脳波セミナー

明日から2日間にわたり、熱海でふじさん・てんかん脳波ハンズオンセミナーが行われます。

頭蓋内脳波まで読む先生方を対象とした応用コースです。

今回は4回目で、私は幸いにも初回から講師としてお呼びいただいております。

今回は、事務担当をされている静岡のT先生より、脳波クイズを出題せよとのご用命です。

そういえば、このブログの脳波クイズの更新がここ数か月できていないなぁ...

自分の担当は5問、脳神経外科の先生が5問です。

困ったのは、全体の正答率が5割くらいになるようにせよとのご指示です。脳波のアーチファクトに関しては説明不要、頭蓋内脳波を平気で読む方々に対して正答率5割ですから、よっぽどの問題を出さねばなりません。

ですが、あまりわけわからない問題を出しても、参加者が得ることがほとんどないようなものであればちょっとな... とも思います。厳しい注文です。

でも、なんとか問題を作ることができました。どのような反応があるか楽しみです。

これを契機に、ブログのクイズもぼちぼち更新していきたいと思います。

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2018/01/22

てんかん外科学会

先週後半は、奈良でてんかん外科学会でした。

脳神経外科の先生方が参加者のほとんどです。

今回は、てんかん外科の技を極めるという趣旨でしたが、脳神経外科医がどのようなことを考えて手術しておられるのかを知っておくのは大切だと思い、参加しました。

手術の技術的な話題は分かりませんし、手術のビデオを見ても、正直あまり分かりません。ですが、手術に至るまでの過程や、術後のフォローアップの成績等、我々内科系医師にも勉強になる点は色々とありました。

会場の近場に東大寺や興福寺がありますので、仏さまを色々と見てきました。また、ならまちでお茶菓子も楽しみました。数年前に観光で来ましたが、何度見ても良いものは良い。

貴重な文化を末永く大切にしていきたいと感じました。

もちろん、脳神経外科の先生方の気概もです!

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2018/01/07

α-アミノアジピン酸セミアルデヒド(α-AASA)

2018年になりました。

いきなりですが、α-アミノアジピン酸セミアルデヒド(α-AASA)という物質があります。

アリシン(allysine)とも呼ばれます。にんにくにもアリシン(allicin)という、よく似た名前の物質はあるようですが、たぶん発音が違うんじゃないかなと思います。

α-AASAは、ALDH7A1遺伝子の異常によるビタミンB6依存性てんかんで体内に蓄積する物質です。

日本国内で、α-AASAを測れるラボはありません。

ビタミンB6依存性てんかんにずっと興味を持っていましたから、これを何とか測れるようにしたいと思い、実験をしてきました。メモをみると、2015年1月、つまりちょうど3年前から始めています。

海外からの報告では、α-AASAは質量分析計(LC-MS/MS)を使って測られています。LC-MS/MSを使った場合、液体クロマトグラフィ(LC)である程度の分離が出来ていれば、高い感度と選択性を持つ質量分析計できっちり測れるからです。測定系の開発時間も節約できます。

けれど、自分のラボには質量分析計はありません。とても高価なんです...

というわけで、手持ちにある蛍光検出器を使っての測定を試みました。α-AASAはアミノ酸の一種なので、アミノ酸分析の技術を用いれば測れるはずです。α-AASA自身は蛍光を発しないので、蛍光物質に変換する蛍光誘導体化反応を行います。これは、他のアミノ酸と同じ。

その前に、α-AASAを「作る」必要があります。α-AASAという試薬は市販されていません。そのため、自分で作る必要があります。幸いにも、作成法は論文になっており、そんなに難しくなかったので、自分でも作れました。医者の仕事というよりは、化学実験です。

蛍光検出を行うためには、LCでアミノ酸を分離する必要があります。質量分析計との最大の違いは、どのアミノ酸も同じような蛍光を発するので、本当にきれいに分離しないとα-AASAをきっちり測れません。

40種類弱のアミノ酸混合液と比較しながら、きっちり分離できることをまず確認。ここまではそんなに難しくなかったのですが(時間はかかりましたが)、生体試料で測ると、未知のピークがかぶってきます。これらも出来る限りかぶらないよう、測定条件を最適化する必要があります。なぜなら、α-AASAの濃度はとても低いため、大きなピークが近くにあると見えにくくなるからです。

この最適化に2年以上かかりました。というのも、2-3週間ほどがんばっては息抜き(他の仕事、実験もあるので)、またがんばっては息抜き、というのを何度も何度も繰り返してきたからです。途中で、何度も嫌になりました。

とはいえ、何とかα-AASAを測れるところまでこぎつけることができました。ALDH7A1遺伝子異常のある患者さんの尿、血清、髄液で測りましたが、いずれも異常高値でした。

現在、論文を作成中ですが、3年かけてほぼ完成させた測定系が、ビタミンB6依存性てんかんの患者さんの診断に少しでも役立てばと思います。

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2017/12/05

てんかんの診療連携2

前回の記事で、地域の診療連携システムをうまく機能させるためには、てんかんセンター自体の診療レベルはもちろんのこと、ふだん患者さんを診て下さる一次・二次医療機関の診療レベル全体の底上げが必要です、と書きました。

てんかん診療の知識を広めるには、医師を対象とした講演会だけでは不足と考えています(もちろん、大切ではありますが)。講演を聞くのは、大学等で講義を聞くのと同様で、知識として定着する確率は低いことが分かっています。

学習効果を高めるには、視聴覚教材を用いたり、双方向の講演にしたり、グループで討論したり、といった方法が必要になります。

実践力を高めるには、症例検討会が一番です。個人情報保護に気をつけたうえで、患者の病歴や検査所見を提示し、参加者であーだこーだと議論するのです。

症例検討会は、東北大学てんかん科がTV会議システムを用いて全国規模(海外からの接続もあり)で行っているのが有名です(医療関係者のみが対象)。

これはとても勉強になるのですが、かなり難治な方を対象としていて、てんかん専門医向けの内容です。

なので、岡山県内のてんかん診療初心者~中級者や研修医を対象とした、より基本的な症例検討会をできないかと考えているところです。

例えば、

この患者は、そもそもてんかんなのか?

必要な情報・検査は?

次の一手は何か?

このお薬はどのように使う?

といった感じの内容です。

岡山県内とはいっても、てんかんセンターまで御足労いただくのはなかなかできません。1時間以上かかる地域もありますから。

そこで、東北大学と同じTV会議システムを使う方式を考えており、今月中にテスト会議を開いてみようと思っています。さて、どうなることやら。

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2017/11/24

てんかんの診療連携

ハワイに行った後、自分の魂が日本に戻ってくるまでに時間がかかったのと、学会・講演会が毎週のようにあったのとで、久しぶりの更新です。

私の勤務する病院には、てんかんセンターが作られており、てんかん診療拠点施設にも認定されています。

元々のてんかんセンターは、国の政策の一環として作られたもので、日本には静岡や西新潟を始め、全国に5か所程度あったと思います(私の記憶が正しければ)。

最近のてんかんセンターは、各病院が独自に作っているものです。関連診療科をまとめ、てんかんの患者さんがどの科を受診するべきか迷ったりせず、診療科間の横の連携をスムーズにし、全体としての診療レベルを高めるのが主な目的です。

てんかんセンターの重要な役割として、地域での診療連携の促進があります。

てんかんの患者さんは多い。100人に1人とも言われます。全国で100万人です。

一方、てんかん専門医は全国で500人ほど。1人あたり2000人の患者さんという計算になってしまうと、診療が到底不可能な数です。

実際のところ、地元のてんかん専門医ではない医師がてんかん患者さんを診てくださっていることが多いのです。

持続可能なてんかん診療の体制を作るためには、分業が不可欠です。一次・二次医療機関で診断や治療方針の決定に難がある場合、てんかんセンターを始めとする専門施設で診断を行い治療方針を決め、紹介元の一次・二次医療機関にお返しするという流れです。治療の節目や、専門施設でしか行えない検査の場合には改めてご紹介いただく、そして結果をつけて元の医療機関にお返しする、ということもよくあります。

この患者さんの流れが大切であり、専門施設で全てを抱え込んでしまうと、パンクするのが必然です。

ただ、診療連携システムをうまく機能させるためには、てんかんセンター自体の診療レベルはもちろんのこと、ふだん患者さんを診て下さる一次・二次医療機関の診療レベル全体の底上げが必要です。

これを今後どのようにして行っていくべきか、日々考えているところです。

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