2017/01/19

脳波クイズ Q1

脳波をなかなか勉強する機会がない、という先生方は多いと思います。

脳波判読が上達するベストの方法は、熟練した上級医と一緒に討論しながら読むことです。

とは言っても、なかなかそういった研修ができる施設は乏しいので、何かお役に立ちたい。

そのため、不定期に脳波クイズを出すことにします。

というわけで、記念すべき第1問。

Q1. 7歳女児。以下の質問に答えて下さい。

1. 覚醒時記録か、睡眠時記録か?

2. モンタージュは何か?

3. 赤丸で示した尖った波形は何か? 正常、異常?

4. この尖った波形の正体を確かめる良い方法は?

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2017/01/15

牡蠣と牛肉の炒めもの

きょうの料理で放送されていた、牡蠣と牛肉の炒めものを作りました。

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牡蠣はちょっとサービスして、多めに。

ん~、この組み合わせ、最高です。

調味料は醤油、みりん、塩、胡椒だけなのに、牡蠣と牛肉のおいしいエキスが出まくってます。

岡山には、日生という牡蠣の名産地がありますからね。冬は牡蠣料理がオススメです!

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2017/01/11

立体角(続き)

前回、立体角を使うと脳波のspikeの電流源と頭皮上での分布の関連性が理解しやすくなると書きました。

脳波のspikeの電流源を双極子(近い距離にプラスとマイナスの電荷がある、英語はdipole)に例えることがよくあります。実際には、電流源は点ではなく、ある程度の拡がりを持ちますが、今回はそれについては考えません。

何故双極子に例えるかというと、てんかん発射の際に、錐体ニューロンではPDS(paroxysmal depolarization shift)という脱分極が起こっているのですが、通常は錐体ニューロンの脳表側(樹状突起)がマイナス、深部(細胞体)がプラスになるのです。

なので、てんかん発射は通常は脳表で陰性です。

さて、この双極子をディスクに例えます。マイナス側を青色、プラス側を赤色としましょう、これを電流源の位置に電流源の向きに置きます。てんかん発射の振幅が大きければ、ディスクの直径を大きくしましょう。

次に、脳波の各電極の位置(点)から、ディスクの色が何色でどのくらいの大きさに見えるか調べます。ここで、立体角が出てきます。ディスクに近づけば近づくほど、ディスクは大きく見えますね。これは、電極の点を頂点とした時のディスクが作る立体角が大きくなるからです。つまり、見かけの大きさが大きくなるのです。

でも、ディスクに対して垂直方向からではなく、斜め方向からみると、距離が同じであってもディスクの見かけ上の大きさは小さくなります。立体角が小さくなるのですね。ディスクの真横に行くと、赤い面も青い面も見えません。立体角はゼロになるわけです。

各電極でのspikesの極性はディスクの色、振幅はディスクの見かけ上の大きさ(立体角に比例)で決まります。以下の図をご覧ください。

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上側は電流源の向きが脳表に対して垂直の場合、下側は脳表に対して平行の場合です。

上側はシンプルですね。電流源の直上でspikeの振幅が最大です。

下側は単純ではありません。電流源の直上では何も見えないのです。そして、離れた電極にマイナスとプラスが見える。脳表ってマイナスだからこんなことは起こるの? と思われるかも知れませんが、脳溝に面している脳回は脳表に対して垂直方向を向いていますので、このようなことが起こります。ローランドてんかんなどでよく見られるパターンで、ローランド棘波では中心側頭部がマイナス、前頭部がプラスになります。

なので、下の図のように、電流源は何も見えない所の直下にある場合もあるのです。

トロントのO2先生曰く、

Spikeの出ている所だけを見るのはneurologist(神経科医)、spikeの電流源の位置を考えながら脳波を読むのがclinical neurophysiologist(臨床神経生理学者)

とのことです。

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2017/01/10

立体角

立体角(solid angle)という概念があります。

ふつうの角は、みなさんよくご存知ですね? 1つの点から2本の直線(半直線)が出ている場合、その間の広がりの度合いです。30°とか45°とかですね。

立体角は、その立体版です。

例えるなら、円錐にも尖ったものやそうでないものがありますが、円錐の内側の広がり具合とでも言いましょうか。

この立体角を使うと、脳波のspikeの電流源と頭皮上での分布の関連性の理解がしやすくなります。

私が勉強に行っていたトロント小児病院では、週1回で脳波セミナー(脳波専門医資格を目指すための勉強会)が開かれていたのですが、立体角理論(solid angle theorem)についての講演をスタッフのO2先生がしてくださっていました。

詳しくは、また後日。

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2017/01/09

日本語の脳波教科書

臨床脳波学 第6版

名著、大熊先生の臨床脳波学の改訂版が昨年11月に出版されました。私も、かつてこの教科書で脳波の勉強をしました。

しっかり脳波を勉強したい方には、英語ならNiedermeyer、日本語なら大熊です。

最後の版から15年以上経ち、満を持しての改版。

脳波の生理学的基礎の話から、種々の疾患における脳波、そしてデジタル脳波についての記載も含まれています。

脳波専門医を志すならば、持っておいて損はしない一冊でしょう。

Niedermeyer's Electroencephalography

ちなみに、Niedermeyerは、こちらです。

これは、まさに脳波の百科事典。

知りたいことが、何でも書いてあるといった感じです。

これも医師1年目時代(!)からお世話になりました。上司に「質問する前に、これくらいは読んでこい」と言われたので。

脳波を極めたい方には、強くお勧めです。

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2017/01/02

謹賀新年

1日遅れですが、明けましておめでとうございます。

お正月から仕事でして、本日は朝9時直前にうるう秒が入って1秒長かったことなど、全く気づきませんでした。

地球の時点が徐々に遅くなってきているからなのだそうで、原子時計とずれてくるのだそうです。

とっても細かい... が、時間はとても大切です。

今年は、めちゃくちゃ忙しくなりそうな予定です。診療、管理、教育、研究、全てボリュームアップが起こる予定です。とりあえず、溺れないように乗り切らなければ。

そのためには、余計なものはそぎ落として、効率化が必要です。これを今後考えていかないといけません。このままだと、パンクするのは目に見えていますので。

今年は、ぜひ飛躍の年にしたいなと思います。

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2016/12/11

頭皮上脳波で見える皮質の広さ

アメリカてんかん学会で勉強した知識の1つです。

頭皮上脳波でspikeが見えるには大脳皮質のどれくらいの広さの皮質でspikeが同時起こらなければならないか、という有名なお話があります。

一般的には、6-10cm2 とされています。これより狭い領域でspikeが起こっても、頭皮上から見えないということです。

最近(といっても10数年くらい前から)話題になっている高周波振動(HFO)はどうなのでしょうか? 頭蓋内脳波の研究からは、HFOは拡がってもせいぜい1-2cm2 程度と分かっています。

では、頭皮上脳波でHFOは見えないのか? と言いますと、実は見えます。

何故?

Lennox awardを受賞されたモントリオール神経研究所のGotman先生が分かりやすく講演してくださいました。

脳波上である信号が見えるのに重要なのは、活動が出ている領域の面積ではなく、S/N比であるということです。

これを聞いた瞬間、そりゃそうだと目から鱗、コロンブスの卵でした。

S/N比とは、ノイズに対する見たい信号の振幅の比です。HFOを見るにおいてのノイズは、脳波の背景活動です。これに対してHFOが際立っていれば(振幅が充分高ければ)、理論上HFOは見えます。HFOは一般的に80Hz以上の活動ですが、この周波数では背景活動の振幅が非常に低いため、S/N比は充分確保され、HFOを見ることができるのです。

一方、spikeが狭い領域からだと見えないのは、spikeの周波数(β帯域あたり)では、脳波の背景活動の振幅が高いため、S/N比がよくないからです。

というわけで、HFOは比較的狭い領域から起こっているわけですが、頭皮上脳波でも充分見えます。ふだんのHFOの判読で、これは経験としては自分にありましたが、きっちり言語化していただき、すっきりしました。思い込みを払拭してくださるような、たいへん素晴らしい講演でした。

ということは、頭皮上HFOが見えないとすれば、電極の空間解像度の問題の方が大きいことになります。頭皮上19電極では、HFOの出ている部位の直上に電極がないと見えません。電極数を増やした高密度脳波ではHFOを頭皮上から見つけられる確率が上がると思います。

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2016/12/10

アメリカてんかん学会

12月2日~7日は、ヒューストンで開催された、アメリカてんかん学会に参加してきました。

やはり、レベルが高い。突き抜けています。勉強になる内容が多く、今後の参考になります。

残念だったのは、時差ぼけがひどく、午後遅くは頭がろくに回らなかったことです。2日に到着して、5日はだいぶ楽になっていたので、もう1日早く行っておけばよかったと思います(長くは休み難いのですが)。

画像解析の講演を聞きましたが、かなり進歩しています。限局性皮質異形成がコンピュータ計算で自動的に見つけられたり、てんかんによる認知機能障害を動物のニューロンレベルでイメージングしたり等。

アメリカは研究の規模が大きいですね。臨床医だけでなく、多くの研究者も活躍しています。臨床医も研究をできる時間がとれるのがうらやましい。日本の臨床医で研究をするといえば、ちょっとした診療の合間か夜だけでしょう。そういった中で、面白い課題が見つかることもあるとは思いますが、時間は正直欲しい。

研究を今後どのように進めていくべきなのか、よく考えていかないといけません。

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2016/12/04

抗てんかん薬の止め時(続き)

抗てんかん薬による治療を始めて発作が無事に止まったら、薬を止められるかどうか考える、ということは前回に書きました。

一般的には、2年間発作が止まったら、薬を止められるかどうか考えます。施設によっては、3年間という所もあります。1年の違いは長いですが、発作抑制期間が長いほど再発率が低い、という話もあったりするため、どちらがよいかは一概に言えません。

薬を止める前には脳波をとります。脳波でてんかん発射が残っている方が、残っていないよりも、再発率が高いと考えられています。てんかん原性(≒てんかん発射)が残っていれば、火種は残っているわけですから。

脳波でてんかん発射がない場合、1年ほどかけて薬をゆっくり減らして中止します。脳波でてんかん発射が残っている場合は、患者さんとよく相談することになります。

てんかん発射が残っていても、いわゆる良性波形(ローランド棘波等)であれば、発作原性はそんなに高くありません。もともと良性波形を示すてんかんでは、発作回数が少ないのです。このような場合は、てんかん発射が残っていても、薬を止めていきます。だいたいはうまくいきます。

良性波形でない場合は、薬をすぐには減らさない場合があります。しかし、小児患者の場合、ずっと薬を続けようと即決するわけではありません。数年見て異常の程度があまり変わらない場合には、試しに薬を減らしてみる場合はあります。発作が再発するようなら、薬を再度増やさざるを得ません。年齢が上がってくるにつれて薬を止めるのは難しくなっていき、成人になってしまうとかなり難しくなります。

一方、成人の場合、てんかん発射が消えていても、薬を減らすと発作が再発する場合があります。成人の脳波では、てんかんが治癒していなくても異常が出ない場合がわりとあり(感度が低い)、注意を要します。成人の場合、お仕事や運転免許のこともあり、積極的に薬を減らしていくのはなかなか難しいです。

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2016/11/28

抗てんかん薬の止め時

てんかんの治療のため、抗てんかん薬の処方を始めて発作が無事止まったなら、薬の止め時をどこかで考える必要があります。

えっ、薬を止められるの?

こどもの患者さんでは、成長とともにてんかん原性が治まり、薬を止められる可能性があります。つまり、完全治癒です。

以前にも書きましたが、抗てんかん薬は発作を抑えるだけの薬。てんかんを治す薬ではありません。

お薬で発作を抑え続けることで、発作を起こすような異常な回路が患者さん自身の自然治癒力で消えてくるのを待つのが、抗てんかん薬による治療の本質です。だから、時間がかかります。

お薬を止めて発作が再発したとしたら、その時点でまだ治っていなかったからです。

自然治癒力は、こどもの方が大人よりも高い。だから、こどものてんかんは大人よりも治りやすいのです。一方、発作がなかなか治まらずに成人に持ち越してしまった方や、成人で発病した方の場合、小児期発症よりも完全治癒(=薬を止められる)の可能性は低いです。もちろん、ゼロではありませんが。

一般的には、発作が2年間止まった時点で、薬を止められるかどうか検討します

続きは、また後日。

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